作品
贈答品転売を営む「宝屋」の茂平が殺された。盗られたものは干物と大福帳。取り合わせに鬼平は首をひねる。「御家大事」他4篇
屋形船上で殺しが起こった。現場から逃げ出した浪人の素性は優しい男と聞き、鬼平の脳裏に疑念がよぎる。「あやかし」ほか4篇収録
人足寄場からの更生者ばかりを殺害する事件が起こり、寄場管理を任されていた鬼平は窮地に陥った。「私怨」ほか4篇収録
会ったばかりの平蔵に、いきなり「情婦にしてくれ」と迫る茶屋の女・おりき。彼女はいったい何を企んでいる? 「女心」など4篇を収録
貸元・富蔵に呼び出された栄三郎。借金の取り立てを依頼されるが、勢い余って相手を殺してしまう。「勢多の栄三郎」など4篇を収録
古い馴染みの女、お松と出会った同心・忠吾。しかしその数日後、お松は斬られ……。忠吾の勘が冴える「忘れ得ぬ女」など4篇収録
鮒釣りに興じる同心の小柳。そこに、小舟に乗って川底をまさぐる謎の男が。一体何を探しているのか? 「寒鮒千両」など四篇収録
両国橋の大花火の夜、三河屋に賊が入った。火薬で錠前を吹き飛ばすという手口に、平蔵の記憶が蘇る。「花火師千助」など4篇収録
若い男と逢瀬を重ねる鍛冶屋仁兵衛の女房、お徳。そんな折、仁兵衛の作った錠前が立て続けに破られる。「あいびき」など4篇収録
師走も押し詰ったある夜、今川町仙台堀の油問屋“上総屋”から出火。火は火柱を上げて夜空を焦がした……。「荒神のお夏」他全四篇
平蔵夫妻は表御番医師・井上立泉に招かれ、老舗料亭桔梗屋で、女蕎麦打ちのおそのに出会ったが……。「蕎麦切おその」他全四篇
呉服問屋の間取図と金蔵の合鍵を拾い帰ってしまった女武芸者・留伊に、兇賊どもの魔の手が忍び寄るのだが……。「妙音記」他全四篇
同心・松永弥四郎が見廻りに出ていた折り、下谷の路地裏で虫の息の盗人を見つけ、最期の言葉を聞くが……。「平松屋おみつ」他二篇
同心・細川峯太郎は非番の日に菩提所のある目黒へおもむくと、挙動不審の老人を目撃、尾行を始めた……。「二度ある事は」他三篇
盗めの三カ条の掟を子分たちが破ったと知った“夜兎の角右衛門”は、火盗改めの役宅へと名乗り出るのだが……。「白浪看板」他二篇
若年寄の一人、京極備中守高久に呼びつけられた長谷川平蔵は、配下の同心・青木助五郎のよからぬ噂を伝えられた。「孤雨」他全三篇
火盗改方同心・沢田小平次の幼馴染である井筒屋の宗兵衛の様子が何やら変だ。何者かに強請られているらしい。「じゃんこ」他全三篇
この言葉を胸に秘め、数奇な運命を辿るお松を評して平蔵は、「男にはない乳房が女を強くするのだ」……。鬼平犯科帳番外篇「乳房」
大滝の五郎蔵はおまさとともに、亡き両親の墓参りのため、故郷の秩父へ向うが、昔の手下の小森の与吉に出会う。「五月闇」他全三篇
日本橋の太物問屋“三河屋”に、かつて粂八らがいた飯富の勘八一味の残党が押し込みを計画。それを知った平蔵は……。「狗」他全三篇
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