作品
彼以前は西洋料理だった。彼がほんもののフランス料理をもたらした。その男、辻静雄の半生を描く伝記小説——世界的な料理研究家辻静雄は平成五年惜しまれて逝った。(向井敏)
出世に汲々とする武士に嫌気が差した日向半兵衛は隠居暮らしを始めるが、彼の腕を見込んで相談が次々と舞い込む。痛快時代小説!
野球小説の第一人者である筆者が、プロ野球を始め、スポーツ報道の裏にある「正しいスポーツの見方」をわかりやすく解説する
幕末、キリシタン類族として差別される青年が江戸へ向かう。青年が見た仏教の堕落と明治維新の矛盾。各書評大絶賛の傑作、遂に文庫化
家督を養子に譲ってさっさと隠居暮しに入った日向(ひなた)半兵衛。のんびりと余生を過ごすはずが、舞い込んでくる難事件怪事件の数々
初恋の女性から突然の電話。サルビアの花を潰してみせた年上の少女の面影を胸に、男は会いに行くのだが。ほろ苦い大人の恋、七景
江戸幕末を背景に宗教と日本人との関係を、出羽の小村から江戸に出てきた青年の目を通して見事に描き出した著者初めての時代小説
アンドレ・カンドレの名でデビューした若者が、やがて井上陽水として音楽界の中で確固たる地位を築きあげるまでを描く迫真の物語!
日本人初のF1ドライバー中嶋悟の加入で、空前の強さを誇るホンダ・エンジン勢と、迎え撃つドライバーたちの織りなす熱き“レーシング・スピリット”を描く。
二年連続クラブ・チャンピオンと初挑戦の男が36ホールのマッチ・プレーでくりひろげる技術、心理、かけひき、罠を巧みに描いた短篇
元銀行員の前途を励ます会で、彼は殺害され、集まった全員がバブル時代、彼と関わっており、殺す動機があった。著者初の犯罪小説
中年の男と付き合う若い女を一途に求める若い男――。求めてはすれ違う男女の宿命を描いた作品集。「二重唱」「ひと月」「夢の部屋」「昔いた場所」「友だちの恋人」他七篇収録。(山本容朗)
故郷の町の自動車エンジン工場からF1チームのメンバーに選ばれた男の充実した人生、そして三年間の出向を終えて帰郷後の脱力感を描く、第百十一回直木賞受賞作。(田辺聖子)
西本聖、平野謙、石嶺和彦、牛島和彦、古屋英夫、高橋慶彦の野球人生に触れながら、個性派六人のプロフェッショナルに徹した生き方を探る。野球を読んで楽しめる本。(馬立勝)
十八歳で巨人軍に入団した堀内は開幕から負け知らずの13連勝を記録し、新人王に輝いた。防御率、勝率一位で沢村賞も獲得したエースが引退するまでの半生を描く長篇。(丸谷才一)
「氷の世界」で空前のミリオンセラーのアルバムを出した「ニューミュージック界の帝王」井上陽水の知られざる素顔を描く注目作
万年最下位に甘んじていたエンゼルスを日本一のチームに作りあげた監督広岡達朗は常勝ジャイアンツに対して怨念ともいえる激しい闘志を燃え立たせた。野球小説の傑作。(山口瞳)
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