作品
「口ヒゲというのは女にこそ似合うのかもしれない。男の口ヒゲには威厳がない」。女性必読、男性熟読、女房愛読、亭主味読。切れ味鋭いユーモアあふれるエッセイ。(黒田杏子)
大学ノートに物語を書き、それに挿絵を描き、水彩絵の具で彩色したカバーをつけ、“著書ごっこ”をしていた少女が、やがて芥川賞を受賞するまでの文学的青春時代を描く。
カモカのおっちゃんと、ローマ、ヴェニス、マドリッド、バルセロナ、パリの五都市で赤提灯、屋台を求めて飲み食いのハシゴをしながら、ヨーロッパの食文化を体験したグルメ紀行。
飲んで、食べて、おしゃべりして……二十一世紀の町・女性解放地区・神戸を舞台に、ファッション、グルメなど、楽しく演出して生活する独身女性たちの活躍を軽快なタッチで描く。
戦後、女性が強くなったものの一つに酒がある。男性の女性に対する偏見を正面から論駁し、女性の権利を堂々と主張しつづけて十年。「女の長風呂」シリーズ、ついに十冊目の随筆集。
原典「源氏物語」から生まれた名作「新源氏物語」に比肩する、もう一つの田辺源氏。ヒゲの伴男という男の従者から見た“ウチの大将”光源氏を描く長篇。(金田元彦)
女の好物は、古くは「芋たこなんきん芝居」、そして現在、「芋たこ長電話」—ご存知おせいさんがズバリ直言する読者へのメッセージの数々。「女の長風呂」より第九弾
男は何をいわれたら、コロリと落ちるのだろう。殺し文句とは何か。女性にとっての生き甲斐である男性を、敬意と好意をもって様々な角度から探究した興味しんしんのエッセイ集。
スサノオ、卑弥呼、持統天皇、小野小町、紫式部、後白河院、淀君、北政所、西鶴、芭蕉、一茶、歌麿、一葉、桂春団治ら著者が愛着をもつ歴史上の人物を描く連作小説集。(金田元彦)
青春のまっさかり、自由な時間を満喫している女性がより高く、より遠くへ飛躍するためには、どうしたらいいのだろうか。いま最もススんでいる女性のエッセイ集。(國弘正雄)
「魚は水に 女は家に」とはいつの時代のことやら。いま、女性はバス停から自由な世界に飛びたつ。女の立場を主張してやまないおせいさんの、明快、痛快なエッセイ。(和多田勝)
浜辺先生は昭和五十二年に二人(?)の養子を迎えた。縫いぐるみのスヌーと、その弟分の老成したオジンである。このニューファミリーがひきおこす笑いと友情を描く愉快な交友録。
自己とは何かを鋭く凝視する斬波四郎の「山塔」、極限状況下ナチスの精神病者対策を追究した北杜夫の「夜と霧の隅で」、現代のメルヘン三浦哲郎の「忍ぶ川」等名作八篇
カモカとは、大阪弁の「咬もうか」のこと。大口あいて、「カモカー」と子供を襲う。そして今はおせいさんに咬みつく。迎え撃つおせいさんとの談論風発ぶり。(寺田健一郎)
おせいさんの行くところにおっちゃんあり。「あーそびーましょ」のおっちゃんと酒席でくりひろげる辛辣で、実はやさしいユーモアあふれる会話の数々。(小泉美喜子)
気さくでのんびりや。明るい人柄の著者を思わせる主人公が、行く先々で知りあった好人物たちとの暖かい触れ合いを、上質のユーモアで生き生きと描写した長篇。(金田元彦)
男の変死体を捜査するうち、町内で評判の奥さんの浮気が露見。その是非をめぐって町中が大論争に。「鬼たちの声」「花の主婦連」「男ともだち」「喪服記」「容色」他四篇収録。(高橋章子)
継子いじめの平安朝文学「落窪物語」を骨子に、当時としては珍しく、唯一人の女性、しかもみすぼらしく幸薄い“落窪姫”しか愛さない右近少将を主人公にした日本のシンデレラ物語。
女房には軽視され子供には無視される中年男の孤立する悲しみを主題に、「中年の眼にも涙」「外づら内づら」「おちょろ舟」「ああ紅の血は燃ゆる」など七篇で綴るホロにがい連作小説。
夫が会社のOLに心を奪われているとき、昭子は作家稼業が忙しく家庭が疎かになりがちで、夫婦の心の溝は広がる一方。恋愛とは何か、夫婦とは何かを問う傑作長篇
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