作品
シャムに渡ってアユタヤの日本人町の頭領となった山田長政は内戦の鎮圧が国王に認められて宮廷の武将としての頂点に立った。異国で波瀾の生涯を送った男の夢と冒険。(縄田一男)
深川の長屋に住む千吉が再び傭われ船頭として海に戻った。右手から投げる長さ八寸の銛を武器に様々な事件を解決する。江戸の下町と海を舞台にした痛快連作長篇小説。(清原康正)
蒙古の船団九百艘、軍勢三万数千人が東松浦の浜に襲来、島民は皆殺しにされた。復讐に燃える佐志留は波立つ玄界灘に船を乗り出す
イギリス軍艦が鎖国下の長崎に入港、薪水、食糧などを獲得して出港した。長崎奉行はその責任をとって非業の死を遂げた。表題の「切腹」のほか「朱印船の花嫁」「鄭成功」。(石井冨士弥)
宮本武蔵、佐々木小次郎、大岡越前守、井伊直弼、西郷隆盛、大石内蔵助、横井小楠、島津斉彬、桐野利秋など、激動の時代を生き抜いた傑物たちを卓絶した史眼で取上げた歴史エッセイ。
釣り好きの三人がそれぞれの釣りの動機、身の上話を語り合う表題作と「島火事」「十人義士」「海の御神輿」「勤番ざむらい」「夕凪ぎ」「悪党たちの海」など十篇。(植村修介)
志摩の土豪から身を起こした九鬼嘉隆は織田信長の知遇を得て運命がひらけた。織田水軍の総大将として海戦に明け暮れた戦国大名の数奇な人生を描く柴田錬三郎賞受賞作。(縄田一男)
二十五歳から文筆生活に入って三十数年、地方に在住してひたすら歴史小説を書いてきた著者の初のエッセイ集。直木賞受賞作「海狼伝」が出来るまでの苦労話など興味ある話を満載。
深川の長屋に住む傭われ船頭千吉の武器は右手から投げる長さ八寸の銛。この銛で航海中の事件のとどめを刺す――新境地の連作長篇
黄金丸の船大将・笛太郎は、シャムを本拠地とする実父と宿命的な対決をする。海賊の生態を描いて、海洋時代小説の金字塔となった直木賞受賞作「海狼伝」の続篇。(縄田一男)
宮本武蔵、佐々木小次郎、大岡越前守、大石内蔵助、井伊直弼、西郷隆盛など著者の関心のある人物を卓絶した史眼で取りあげた十五篇
派手好みの対馬藩の殿様は演能の席に、わざわざ朝鮮から氷塊を取り寄せるが、御船方にとっては命がけの航海となる……。直木賞受賞第一作の表題作を含む力作時代小説。(縄田一男)
職人岩蔵、無役の御家人金八郎、小普請組支配の妾おさえが釣り船で遭難。三人三様の釣り好きの動機を語る表題作など力作時代小説
武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康など、戦国時代をリードした武将たちの野心と戦略——生き残るための覇者の条件を描く歴史エッセイ集。ビジネスマンの必読書。
十七世紀、中国産生糸の利権をめぐって日本に乗り込んできた東印度総督特派大臣の栄光と挫折を描く表題作ほか、「モンゴルの海」「いれずみ国姓爺」「名人」など五篇。(縄田一男)
蒙古兵の槍で孫の恨みを晴らそうとする老人の執念を描く表題作ほか、「人名の墓」「巨船」「長すぎた夢」「三十人目の女」「鉄砲修業」「献上博多」など六篇の物語。(秋山駿)
オランダ人殺し、奉行所同心の手先の殺害、女無宿人の水死事件など異国情緒あふれる港町で起こった事件に、町人の捕物名人若杉清吉、四十二歳が挑む捕物帖。(深野治)
黄金丸の船大将・笛太郎は、シャムを本拠地とする実父のマゴーチと宿命的な対決をする。直木賞受賞作「海狼伝」の続篇にあたる
対馬で育った少年笛太郎が、史上名高い村上水軍の海賊集団に加わり、“海のウルフ”として成長していく青春を描きながら、海賊の生態を活写した直木賞受賞作。(尾崎秀樹)
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