作品
自身を語ること稀だったこの作家が折にふれ綴ったエッセイ、小文。郷里のこと、幼年時代、創作秘話、日常身辺等、作品と併せ読む一冊
隠退した元お側用人と幼なじみの町奉行、小料理屋のお内儀との交情をしみじみと描いて各紙誌絶賛の名品。「秘太刀馬の骨」を併載
薄幸の人妻との恋。男が女にえがく果てない夢。静かな深い感銘をよぶ名品「海鳴り」と、悪漢小説の異色の試み「天保悪党伝」を収む
お待たせしました。いよいよ冴える青江又八郎の剣。用心棒日月抄シリーズ第三第四作完結篇。小説の魅力を復権させた記念碑的作品
この作家円熟期のかぐわしい果実と評された「玄鳥」をはじめ、初期歴史短篇として不滅の光を放つ「又蔵の火」など、力篇を収めた
山師策士と呼ばれた謎の志士清河八郎の真実を描く「回天の門」に加え、討薩一筋に激しく生きた悲憤の人雲井龍雄を活写する「雲奔」
好評のシリーズ「獄医立花登手控え」最終作品に加え、はぐれ同心神谷玄次郎の捕物控「霧の果て」の他、異色の犯罪小説「闇の歯車」
江戸小伝馬町牢獄づめの立花登は医学のかたわら起倒流柔術をおさめる青年獄医。獄舎の内外の多彩な人間模様をえがく好評シリーズ
清痩鶴のごとし、と掉まれて逝った長塚節。その生のかがやきを清冽にえがく表題「白き瓶」と、初期名作「一茶」を収録する異色篇
癒せぬ過去をひきずる主人公・伊之助。板木彫り職人だが、かつては凄腕の岡っ引。江戸の町々の光と影をえがく名シリーズ全三篇!
十代家治の治世、徳川に遺恨をいだき暗躍する謎の徒党「八嶽党」をめぐる波瀾にみちた物語、他一篇。異彩はなつ伝奇小説二篇収載
よろずもめごと仲裁つかまつり候。旗本妾腹の祝福されざる冷や飯食い平四郎の稼業である。裏店人生の様々な光景を描く全二十四話!
江戸の橋。出会いと別れ。ひとびとの喜怒哀楽を紡ぐ場所である。表題の情趣ゆたかな初期代表作と「本所しぐれ町物語」など二作!
藩中一、二を競う遣い手同士の凄絶な果し合いを乾いた抒情で描きだす表題作はじめ、円熟期士道小説の中・短篇二十三篇をおさめる
関ヶ原合戦前夜、家康を挟撃せんと北国の雄・上杉と石田三成がむすんだ密約の行方を追う歴史小説雄篇。他一篇を収める歴史小説集
六年前、筆頭家老が暗殺されたが下手人は不明、刀傷から「馬の骨」なる秘太刀と判明した。その剣を伝授されたとされる剣客は誰か
名もない市井の人々の、日々の歓喜と悲哀を、キメ細やかに曇りない眼でとらえた明澄な人生絵図三十六篇。うち七篇は単行本未収録
北国の小藩・海坂、清流と小立に囲まれた組屋敷、一人の少年藩士が成長する姿を描く「蝉しぐれ」と、朋友相喰む熾烈な覇権劇「風の果て」
闇とほのかな光の中で語られる、愛憎と葛藤、独自の色彩でえがかれた人生絵図。「冬の潮」「暁のひかり」など初期市井小説三十篇
家督をゆずり隠居の身となった清左衛門の日記「残日録」。悔いと寂寥感にさいなまれつつ、なお命をいとおしみ、力尽くす男の残された日々の輝きを描き共感をよぶ連作長篇。(丸元淑生)
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