物語が女の人生を照らし、男たちの政治をも動かす――。
宮廷を中心に文学が花開いた平安時代。
『源氏物語』はいかに書かれ、どう読まれたか?
セクシュアリティと権力の観点から平安文学を読み解いてきた日本文学研究者が、紫式部と同時代を生きた男たちの実像を通してその歴史を描き出す。
はじめに 紫式部はなぜ『源氏物語』を書いたのか
第1章 『源氏物語』の時代
第2章 摂関政治下の色好みの力
第3章 すべては『蜻蛉日記』からはじまった
第4章 女の物語の系譜
第5章 呪いと祈祷と運命と
第6章 女房たちの文化資本
第7章 『源氏物語』はどう読まれたか
第8章 女が歴史を書いた
おわりに
平安時代中期を舞台に『源氏物語』を生んだ紫式部の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』が面白い! と早くも話題を呼んでいます。『源氏物語』はいかにして書かれ、読まれたのか。紫式部と藤原道長はソウルメイトか、それとも恋人関係だったのか?
ドラマの行方からも目が離せませんが、政治=色事であった摂関政治の時代の〈性と権力〉の構造を知れば、『源氏物語』はもちろんドラマももっと深く楽しめるに違いありません。
『光る君へ』を日本文学研究者で津田塾教授の木村朗子さんはどう観たのか、『紫式部と男たち』の読みどころとともに伺います。(聞き手:鳥嶋七実・文春新書編集部)
第二回
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