◆新連載◆
・門井慶喜「天下の値段 享保のデリバティブ」
かつて経済の中心には「米」があり、それは「証券」や「先物」に姿を変え、金融派生取引(デリバティブ)を発生させた。「金融市場(マーケット)」の誕生である――。
大坂堂島に実在した「米市場」を舞台に商人vs幕府の闘いを描く一大エンターテインメント!
[はじまりのことば]
江戸時代、米価はそのまま国家予算、すなわち「天下の値段」となった。だからこそ時の将軍・吉宗は、米価決定システムたる「市場」を学び、時に闘うことも辞さなかった。
・一穂ミチ「アフター・ユー」
ある日突然姿を消した恋人。彼女は自分の意志で消えたのか。それとも……。最悪の事態に怯えながら、残された青吾は手掛かりを求めて動き出す。
愛を問う、大人のための恋愛小説。
[はじまりのことば]
「いなくなった人」を書こうと決めて、母に電話した。昔、兄を捜して何度も警察に行ったと話していたから。今ここにいない人を想う時、人は何を覚悟するのだろう?
◆読みきり◆
・斜線堂有紀「妻貝朋希を誰も知らない」
大手ファミレスチェーンを揺るがす迷惑動画。犯人について語る人々の話にちらつくもう一人の“問題児”の影――。
・結城真一郎「大代行時代」
わが銀行に入行した「モンスター新人」。社内の誰にも話しかけずに、彼はどうやって仕事を回しているのだろう?
・荒木あかね「置き去りイヤリング」
新幹線の端と端にひと揃いのイヤリングが落ちていた――なぜ? なんだか嫌な予感。
・コウイチ「マサルの冷たい部屋」
かつて人気を誇ったYouTuberのマサルは、動画再生回数の減少に悩んでいた。焦りがつのる中、彼が縋ったのは。
◆インタビュー◆
作家の書き出し Vol.27 取材・構成 瀧井朝世
・青山美智子
大丈夫、私たちはきっと、リカバリーできる――公園の遊具にまつわるあたたかな5つの物語。
◆book trek◆
・多崎礼『レーエンデ国物語』
・ラランド・ニシダ『不器用で』
◆エッセイ◆
・藤田真央「指先から旅をする」
・稲田俊輔「食いしん坊のルーペ」
[第15回]ハンバーグ人生劇場
(1)立志編 (2)風雲編 (3)望郷編
・今井真実「ひとりでまんぷく」
[第3回]願掛けは、辛くて痺れる明太子スパゲッティ
◆レビュー◆
・白石直人「世界を見渡すためのブックガイド」
[第8回]宇宙を知る ~ビッグバンから太陽系まで~
◆連載小説◆
・岩井圭也「われは熊楠」
熊楠26歳。なんとしても西洋学界で名をあげたい彼は、ロンドンで大英博物館につながる伝手を必死に求めていた。
・伊岡瞬「追跡」
死者三名、行方不明者一名を出した住宅火災の翌日。警察が見逃しているこの“事件”の真の姿が露わに……。
・矢月秀作「桜虎の道」
資産家の遺言書を託された司法書士見習いの桜田。財産を巡り接触してきた極道の背後には意外な人物がいて……
・麻布競馬場「令和元年の人生ゲーム」[最終回]
老舗銭湯・杉乃湯の四代目の野望をすべて叶える、爽やかな沼田さん。彼は銭湯でひとり「笑顔」の練習をしていた。
・大木亜希子 料理監修:今井真実「マイ・ディア・キッチン」
モラハラ夫から逃れ、住み込みの料理人として働くことになった白石葉。しかし、早速、同居人の那津に一喝され……。
・朝倉かすみ「よむよむかたる」
ぼくらはここで、〈おみとりさん〉になる練習をしているんだ――会長の入院の報に接し、読書会の老人たちは。
・今村翔吾「海を破る者」
六郎たち日ノ本軍は、圧倒的な兵力を誇る蒙古軍と睨み合いに。その時、船をも呑み込む暴風雨が吹き荒れた。
・夢枕獏「ダライ・ラマの密使」
額から角が生え、みるみるヤマーンタカへと変貌していったツェリン。「呪(まじ)だ」と直感した慧海は……。
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