単行本

噓つきジェンガ 辻村深月

1,815 (税込)
発売日2022年08月25日
ジャンルエンタメ・ミステリ
商品情報
書名(カナ) ウソツキジェンガ
ページ数 288ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2022年08月30日
ISBN 978-4-16-391584-5
Cコード 0093
試し読み
書店在庫
ネット書店で購入
単行本

噓つきジェンガ 辻村深月

1,815 (税込)
発売日2022年08月25日
ジャンルエンタメ・ミステリ
商品情報
書名(カナ) ウソツキジェンガ
ページ数 288ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2022年08月30日
ISBN 978-4-16-391584-5
Cコード 0093

つい重ねてしまった嘘の先に……

詐欺をめぐる3つの物語。
『2020年のロマンス詐欺』
まさか、こんな2020年の春が待っているとは思いもしなかった――大学進学のため山形から上京した「加賀耀太」だったが、4月7日、緊急事態宣言が発令されてしまう。入学式は延期され、授業やサークル活動どころか、バイトすら始められない。そのうえ、定食屋を営む実家の売り上げも下がって、今月の仕送りが半分になるという。地元の友人「甲斐斗」から連絡が来たのはそんなときだった。「メールでできる簡単なバイト」を紹介してくれるというのだ。割の良さに目がくらんで始めた耀太だったが、そのバイトとはロマンス詐欺の片棒を担ぐことだった。早く「実績」を上げるよう脅され、戸惑いながらもカモを捕まえようと焦る耀太は、「未希子」という主婦と親密なやりとりを交わすようになる。ある日、未希子から「助けて、私、殺される」というメッセージが届く……。
『五年目の受験詐欺』
「紹介は、詐欺だったんです、私たち、騙されていたんですよ」――電話口でそう告げた女の声に「風間多佳子」は驚愕した。詐欺と言われてもにわかには信じられなかった。なぜなら、「大貴」は志望校に合格したのだから。教育コンサルタントが受験生の親向けに開く完全紹介制の「まさこ塾」に多佳子が通っていたのは、次男・大貴の中学受験に際してだった。頑張っても頑張ってもなかなか成績が上がらず苦しむ息子の姿に心引き裂かれていた多佳子は、息子を信じようと決意しながらも、つい、まさこ先生に持ち掛けられた、100万円で受けられる「特別紹介の事前受験」という甘い誘いに、夫にも内緒で乗ってしまったのだ。あれが詐欺だったなら、息子は自力で合格したのか。混乱する多佳子のもとに、「まさこ塾」で親しくしていた「北野広恵」から連絡がある。「多佳子さんにも、当時、まさこ先生からその……お誘いはあったの?」
『あの人のサロン詐欺』
「紡」はオンラインサロン「谷嵜レオ創作オンラインサロン オフ会」を主宰している。最初は漫画原作者・谷嵜レオとファンとの非公式な交流イベントだったが、谷嵜のようなクリエイターに憧れる彼らの質問を受けるうち、いつのまにか創作講座がメインとなった。紡が発する言葉を熱心に書き留める参加者たち……谷嵜レオになるまで、紡は自分がこんな風に話せる人間だとは知らなかった。自分の作品を熱心に愛してくれる皆が、紡の話に真剣に耳を傾けてくれる高揚感で、オフ会の時間はあっという間に過ぎる。しかし、じつは紡は谷嵜レオではない。谷嵜が覆面作家なのをいいことに、創作サロンの参加者にも、自分の家族にもそう偽っているのだ。これは詐欺なのだろうが、全身で谷嵜レオを生きてしまっている紡には、その考えはしっくりこなかった。ほんものの谷嵜が逮捕されてしまうまでは。



本の話ポッドキャスト【文春ミステリチャンネル】辻村深月さん『嘘つきジェンガ』の魅力を楽しく語ります!(ネタバレなし)

辻村深月さん『嘘つきジェンガ』について、姉妹篇とも言える直木賞受賞作『鍵のない夢を見る』との繋がりも含めて、幸運にも両作を担当できた編集者コンビが、楽しく(暑苦しく?)語ります。辻村さんの10年間の進化を感じられる最新刊について、ネタバレのないようにおしゃべりしてみましたので、気軽にお聞きください!(制作:オール讀物編集部)

 

本の話ポッドキャスト【著者朗読🎤】辻村深月さん『嘘つきジェンガ』より「五年目の受験詐欺」

辻村深月さんの新刊『嘘つきジェンガ』は8月25日発売! 泥棒、放火、殺人、誘拐など犯罪をテーマにし、直木賞を受賞した短篇集『鍵のない夢を見る』から10年。「詐欺」をテーマに、騙す側と騙される側の心理に迫る三篇を収録した新刊の中から「五年目の受験詐欺」を辻村さんご本人が朗読。穏やかな日常を一本の電話が崩壊させる、緊迫の場面をお楽しみください。(制作:オール讀物編集部)

担当編集者より


2012年、身近な犯罪を描いた短編集『鍵のない夢を見る』で、辻村深月さんは第147回直木賞を受賞されました。盗み、放火、DV、殺人、誘拐をおそるべき密度で描いた5篇からなるこの作品集で、「詐欺」を取り上げられなかったことが、辻村さんはずっと心残りだったと言います。そして、10年の時を経て満を持して上梓するのが、『噓つきジェンガ』です。
本書は「2020年のロマンス詐欺」「五年目の受験詐欺」「あの人のオンライン詐欺」、各篇のタイトルに示された3種の詐欺犯罪を描いた中篇から成ります。本作を読むと、詐欺には必ず騙す側と騙される側がいますが、そのどちらにも切実な願望や不安が動機としてあり、ほんの少し踏み外すだけで誰もがどちらの立場にもなり得ると痛感させられます。
私生活では、ご自身もこれから受験を経験するであろうお子さんのいらっしゃる辻村さん。「五年目の受験詐欺」を書きながら、今こんな話を持ち掛けられたらきっと騙されそう、と怖くて仕方なかったそうです。迫真の心理描写をぜひご堪能下さい。

感想を送る

本書をお読みになったご意見・ご感想をお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社ウェブサイト、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただく場合がございます。

※いただいた内容へのご返信は致しかねますのでご了承ください。
※ご意見・ご感想以外は、こちらから各部門にお送りください。

メディア関係者・図書館の皆様

表紙画像のダウンロード

ご希望のデータがダウンロードできない場合や、著者インタビューのご依頼、その他の本の紹介に関するお問合せは、直接プロモーション部へご連絡ください。

雑誌・書籍の内容に関するご意見、書籍・記事・写真等の転載、朗読、二次利用などに関するお問合せ、その他については「文藝春秋へのお問合せ」をご覧ください。

書店在庫
ネット書店で購入
米国を代表する作家、スティーヴン・キングの特設サイト 阿部智里「八咫烏シリーズ」特設サイト 2024 文春文庫 秋100ベストセレクション 吉永南央「紅雲町珈琲屋こよみシリーズ」特設サイト 佐伯泰英特設サイト 文春文庫は50年を迎えました! 特設サイト