書名(カナ) | シイナリンゴロン ランチョウノオンガク |
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ページ数 | 392ページ |
判型・造本・装丁 | 四六判 軽装 並製カバー装 |
初版奥付日 | 2022年10月10日 |
ISBN | 978-4-16-391606-4 |
Cコード | 0095 |
「文學界」掲載時から大きな話題を呼んだ連載が書籍化!
デビューから約20年。
椎名林檎は、日本の音楽界にとって常に大きな存在であり続けている。
しかしながら、彼女に関する評論はあまりに乏しかった。
椎名林檎のファースト・アルバム『無罪モラトリアム』から
東京事変の最新アルバム『音楽』まで。
その規格外の才能を、歌詞・和音・構成・歌唱・意匠から統合的に論じる。
椎名林檎の音楽を「演奏」するように批評し、その音楽の本質に迫る。
《目次》
序章 全てを読み込む音楽批評
第1章 現在進行形の衝動——『無罪モラトリアム』の衝撃(インパクト)
第2章 宙吊り(サスペンス)と緊張感(テンション) ——『勝訴ストリップ』と分裂
第3章 新宿系自作自演屋——平成の偶像(アイコン)と愛好家(ファン)
第4章 音楽を魅せる——椎名林檎の映像美学
第5章 ロックファンとの別離——擬古典派の『加爾基(カルキ) 精液(ザーメン) 栗ノ花(クリノハナ)』
第6章 豪雨の最中の旗揚げ——東京事変という『教育』機関
第7章 楽団(バンド)を再起動(リブート)する——『大人(アダルト)』の事変サウンド
第8章 座長など要らない——『娯楽(バラエテイ)』の規格外の音像
第9章 鎧を脱ぎ捨てること——未来志向の『三文ゴシップ』
第10章 フィジカルな限界の先——前衛的(アヴァンギャルド)でポップな実験作『スポーツ』
第11章 溶けあう才能——千秋楽の『大発見』
第12章 目抜き通りを歩く——逆襲(リベンジ)する『日出処』
第13章 本物(モノホン)と協働(コラボ)する——客演で連帯する『三毒史』
第14章 自由と食べること——『音楽』を再生(リプレイ)する東京事変
終章 全てを呑み込む椎名林檎
音楽を批評することはきわめて難しい。歌詞と音楽いずれかに偏った分析や、音楽を題材にした社会批評になるなど、「楽曲そのもの」を捉えそこなってしまうことも多い。
序章は、椎名林檎の音楽を論じるための方法論「実践的な演奏批評」について。類まれなる言語感覚に、作曲・編曲をこなし、唯一無二の歌声に演出センスまでを併せ持つアーティスト・椎名林檎を捉えるため、「楽曲そのもの」を批評するために必要なこととは。
椎名林檎の衝撃的なファースト・アルバム『無罪モラトリアム』から鳴り響いたのは、日本にそれまで全く存在しなかった音楽だった。
第1章では、『無罪モラトリアム』の楽曲を分析していく。『正しい街』の巧みな構成、その日本語の韻律や、歌詞が作り上げる世界などはどのように関係しているのか。あるいは、『歌舞伎町の女王』の「急降下/急上昇」についてなど。
椎名林檎史上最大のセールスを誇った、セカンド・アルバム『勝訴ストリップ』は、〈分裂〉に満ちている。『罪と罰』のシングルジャケットにデザインされた、真っ二つに切断された車が象徴的に物語っているように――。
第2章では、『罪と罰』『本能』など『勝訴ストリップ』に収録されている楽曲を中心に分析する。歌詞やコード進行が複合的に作り出す〈分裂〉とその効果とは。また、椎名林檎を特徴づける「形式」へのこだわりや、彼女の「歌唱」についても論じる。
「文學界」連載中から大きな話題を呼んでいた評論がついに書籍に!意外な連載のきっかけや、論考から泣く泣く外した楽曲など、執筆裏話を著者の北村匡平さんにお伺いします
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