書名(カナ) | ナカノキョウコトヨミトク クリムトトタソガレノハプスブルク |
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ページ数 | 224ページ |
判型・造本・装丁 | 四六判 軽装 並製カバー装 |
初版奥付日 | 2024年06月10日 |
ISBN | 978-4-16-391860-0 |
Cコード | 0095 |
大王朝が沈みゆく時、人々は美とエロスと死の気配に溺れた――。
19世紀末のウィーンは、黄昏時の美しさに輝いていた。勤勉な皇帝フランツ・ヨーゼフと美貌の皇后エリザベートの人気は高く、街は都会的に改造され、カフェが賑わい、文化芸術が開花。しかし数十年後、大王朝は消滅する。人々は崩壊の予兆に怯えながらそれに目をそむけ、エロスと死の気配に満ちた絵画や小説に傾倒した。そうした時代の申し子であるクリムトと、同時代画家たちの絵画から「良き時代の終末」を読み解く。
クリムト、シーレ、ヴィンターハルターら42点の名画と“ウィーン激動の時代”がスリリングに交錯する絵画エッセイ!
絵画はすべてオールカラー、高品質印刷ですみずみまで美しく。
「本書は、時代の必然のように登場した画家とその地の世相や事件を、できる限り多面的に捉えようとする試みです」(あとがきより)
延命成功/ウィーン大改造/マカルトとクリムト/エリザベート美貌最盛期/エロス/カフェ文化/女性騎手とデザイナー/音楽と市民の娯楽/死の連続性/ユダヤ人/一九〇〇年パリ万博/問題児シーレ/恋愛と結婚/怒濤の時代/終焉
……15の章で「名画」と「歴史」と「人間」を読み解く。
※ハプスブルク家略系図、地図、年表付き。
大好評『中野京子と読み解く フェルメールとオランダ黄金時代』に続く《名画×西洋史シリーズ》最新作!
中野京子と読み解く クリムトと黄昏のハプスブルク 目次
◆延命成功
クリムト『接吻』
シュティーラー『ゾフィー大公妃と長男フランツ・ヨーゼフ』
ミクローシュ『フランツ・ヨーゼフ一世』
◆ウィーン大改造
クリーフーバー『エリザベート皇后と子どもたち』
クリムト『旧ブルク劇場の観客席』
◆マカルトとクリムト
マカルト『カール五世のアントワープ入城』
クリムト『シェークスピア劇場』
◆エリザベート美貌最盛期
ヴィンターハルター『オーストリア皇妃エリザベート』
シンケル『モーツァルト魔笛の舞台セット』
ヴァルトミュラー『ウィーンのマクダレーネングリュントの物乞いの少年』
◆エロス
バイロス『かわいいカタツムリ』
クリムト『医学』(部分) 『ダナエ』
◆カフェ文化
フェルケル『カフェ・グリーンシュタイドル』
クリムト『ベートーヴェン・フリーズ』(部分)
◆女性騎手とデザイナー
アトキンソン『馬でハードルを越えるエリザベート皇后』
クリムト『エミーリエ・フレーゲの肖像』
◆音楽と市民の娯楽
クリムト『ピアノを弾くシューベルト』
ブラウ『プラーターの春』
◆死の連続性
アルト『気球から見たウィーン南西部』
マネ『マクシミリアンの処刑』
アンゲリ『金羊毛騎士団章を付けた海軍士官服姿のルドルフ皇太子』
◆ユダヤ人
クリムト『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ』
デルーク『市長鎖をつけたカール・ルエーガーⅠ』
◆一九〇〇年パリ万博
クリムト『パラス・アテナ』『哲学』(部分)『罌け粟し の野』
ホドラー『夜』
◆問題児シーレ
シーレ『毛皮の襟巻をしたマリア・シーレ』『着席した男性のヌード(自画像)』
クリムト『ヌーダ・ヴェリタス』
◆恋愛と結婚
クリムト『希望Ⅰ』
シーレ『死と乙女』
◆怒濤の時代
ガウゼ『一九〇〇年のウィーン宮廷舞踏会』
クリムト『死と生』
◆終焉
クリムト『マフの貴婦人』
シーレ『家族』
※地図、年表、ハプスブルク家略系図付き
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