単行本

病葉草紙

2,420 (税込)
発売日2024年08月07日
ジャンル歴史・時代小説
商品情報
書名(カナ) ワクラバソウシ
ページ数 504ページ
判型・造本・装丁 四六判 軽装 並製カバー装
初版奥付日 2024年08月10日
ISBN 978-4-16-391867-9
Cコード 0093

これは――虫ですね。本草学者が捉えた真相

人の心は分かりませんが、 それは虫ですね――。

ときは江戸の中頃、薬種問屋の隠居の子として生まれた藤介は、父が建てた長屋を差配しながら茫洋と暮らしていた。八丁堀にほど近い長屋は治安も悪くなく、店子たちの身持ちも悪くない。ただ、店子の一人、久瀬棠庵は働くどころか家から出ない。年がら年中、夏でも冬でも、ずっと引き籠もっている。

「居るかい」

藤介がたびたび棠庵のもとを訪れるのは、生きてるかどうか確かめるため。そして、長屋のまわりで起こった奇怪な出来事について話すためだった。

祖父の死骸のそばで「私が殺した」と繰り返す孫娘(「馬癇」)、急に妻に近づかなくなり、日に日に衰えていく左官職人(「気癪」)、高級料亭で酒宴を催したあと死んだ四人の男(「脾臓虫」)、子を産めなくなる鍼を打たねば死ぬと言われた武家の娘(「鬼胎」)……

「虫のせいですね」
棠庵の「診断」で事態は動き出す。

「前巷説百物語」に登場する本草学者・久瀬棠庵の若き日を切り取る連作奇譚集。

目次

病葉草紙 目録

馬癇
気癪
脾臓虫
蟯虫
鬼胎
脹満
肺積
頓死肝虫

担当編集者より

舞台は江戸の八丁堀にほど近い貧乏長屋。この長屋に引きこもっているのが、若き日の本草学者・久瀬棠庵です。
大家の藤介に、棠庵が物の本を開きつつ解説するのは、「馬癇」「脾臓虫」「鬼胎」「頓死肝虫」など、なんらかの身体症状を引き起こす、いわゆる「腹の虫」。これらの虫が、長屋の周辺で起こった事件と不思議に結びつき、意外な方向に展開していきます。
棠庵と善良な大家、藤介とのやりとりは基本的に軽妙で楽しく読めますが、最終話で棠庵が自身について語る言葉には胸をうたれます。「人の心は分からない」と呟き、飄々と諦観をもって生きているように見えていた若き棠庵の隠れた内面が垣間見えるのは、藤介とこれまで育んできた関係があるからこそと思わされます。
久瀬棠庵を通して『前巷説百物語』前日譚としても読めますが、一冊で完結しているため、京極夏彦さんの作品を初めて読む方にもおすすめ。夏の夜に楽しみたい奇怪な連作短編集です。

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