書名(カナ) | カブキモン |
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ページ数 | 256ページ |
判型・造本・装丁 | 四六判 軽装 並製カバー装 |
初版奥付日 | 2025年01月30日 |
ISBN | 978-4-16-391935-5 |
Cコード | 0093 |
◆あらすじ
時は文化文政。江戸の芝居は華盛り。
今をときめく色男・菊五郎に芝居の現人神・團十郎が揃い咲けば、たちまちそこはこの世の極楽。
天才戯作者・鶴屋南北の筆は次々傑作を生みだすも、金が敵の世の中で、ケチな金主とあの手この手の化かし合い!
すかっと笑える歌舞伎ものがたり、始まり、はじまり~。
*
文政2(1819)年。江戸歌舞伎の二大スター三代目尾上菊五郎、七代目市川團十郎はそれぞれの芝居小屋で時期を同じくして「助六」を演じる。江戸芝居イチ「粋な男」という役どころの助六は、成田屋市川團十郎が代々演じてきた演目で、上演すれば必ず大入りになるお家芸。対して、”圧倒的劣勢”と見えた菊五郎の助六に人々はなぜか沸き立ち、團十郎の助六は途中で打ち止めになってしまう――(「牡丹菊喧嘩助六」)。
文政3年。助六で喧嘩別れしたままの團菊。「菅原伝授手習鑑」寺子屋の段で難しい見せ場を持つ松王丸を演じることになった團十郎は、なんとか菊五郎の助六をしのぐ工夫(その役者ならではの演じ方)をしたいと悩む(「ためつすがめつ」)。
文政6年。共演こそ再開したが、いまだわだかまりの残る團菊を仲直りさせようと奔走するは、立作者の鶴屋南北。「浮世柄比翼稲妻」で二人を配役するが、鞘当の場面に差し掛かると、二人はなんと舞台上で真剣を抜いてしまう(「伊達競坊主鞘當」)。――他3編
幼い頃から歌舞伎や演劇に親しみ、どっぷり浸かってきた著者が全身全霊で書き上げたデビュー作にして会心の勝負作。
牡丹菊喧嘩助六(はなとはなきそうすけろく)
ためつすがめつ
伊達競坊主鞘當(だてくらべぼうずのさやあて)
連理松四谷怪談(れんりのまつよつやかいだん)
盟信が大切(かみかけてしんがたいせつ)
耶蘇噂菊猫(やそのうわさおとわやのねこ)
2003年群馬県生まれ。
22年「盟(かみかけて)信が大切」で第102回オール讀物新人賞を受賞。
19歳という史上最年少での受賞となる。本書がデビュー作。
9歳のとき、からくり人形芝居『忠臣蔵』を観たことで興味を持ち、仮名手本忠臣蔵の絵本から歌舞伎にハマっていく。
観劇に通うとともに、演目図鑑や『歌舞伎年表』を暗記する勢いで読みふける。
現在は東京大学文学部で学び、さらなる歌舞伎道を邁進中。
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