アフリカから来たランナーたち 箱根駅伝のケニア人留学生 泉秀一

1,210 (税込)
発売日2025年12月18日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(かな) あふりかからきたらんなーたち はこねえきでんのけにあじんりゅうがくせい
ページ数 288ページ
判型・造本・装丁 新書判
初版奥付日 2025年12月20日
ISBN 978-4-16-661518-6
Cコード 0295
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書店在庫
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アフリカから来たランナーたち 箱根駅伝のケニア人留学生 泉秀一

1,210 (税込)
発売日2025年12月18日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(かな) あふりかからきたらんなーたち はこねえきでんのけにあじんりゅうがくせい
ページ数 288ページ
判型・造本・装丁 新書判
初版奥付日 2025年12月20日
ISBN 978-4-16-661518-6
Cコード 0295

ごぼう抜きランナーたちの素顔に迫る

生きるためには走るしかなかった――

箱根駅伝「花の2区」を駆け抜けたケニア人留学生たちのドラマ。



箱根駅伝のエース区間「花の2区」を誰よりも速く駆け抜けたにもかかわらず、私たちは彼らの家族、兄弟、故郷、友人、そして来日の方法などについて何ひとつ知らない。正月のテレビ画面に「見えている」のに「視えない存在」――ケニア人留学生の謎を追ってアフリカの大地を訪ね歩いた。



●箱根2区の区間記録保持者、リチャード・エティーリの素顔

●マラソン五輪金メダリスト、元仙台育英のサムエル・ワンジルの死

●陸上ファンの間で疑問視されてきた謎の高校「ガル高校」の真相

現地取材で徹底レポート。

●目次
プロローグ 
第一章 助っ人ランナーの素顔 
第二章 「人買い」と呼ばれた男 
第三章 幻の名門校「ガル高」を探して
第四章 日本人監督の葛藤──山梨学院、仙台育英、世羅
第五章 駅伝スター「その後」の明暗 
第六章 商品化するランナーたち
第七章 走り屋たちの未来
あとがき
参考文献

目次

プロローグ 
視えないランナーたち
だって「留学生だから」
「なんじゃこりゃ、全然違うやん」
駅伝界の都市伝説「ガル高校」
色彩を帯びる「走り屋」たち

第一章 助っ人ランナーの素顔 
「箱根駅伝なんて、知らないよ」
走ることは、働くこと
一日十八時間の猛勉強
四百万円の「大豪邸」をプレゼント
ランナーが稼ぐ「三つのルート」
駅伝がつくる独自のエコシステム
家族全員でランナーに「投資」

第二章 「人買い」と呼ばれた男 
二十万年の時を超えて
カメラマンとして現場に潜入
駅伝界を変えた「ワキウリショック」
年間「百五十万円」の顧問料
「人買い小林」と呼ばれて
語られざる、もう一人の日本人
エージェント群雄割拠の時代

第三章 幻の名門校「ガル高」を探して
ついに「ガル高校」を発見
都市伝説化する「幻の学校」
「一枚の資料」が語ること
出身者たちの共通点
「オルナルアに通っていたよ」
「ガル高」を写した三十年前の写真
諦めきれずに「ケニア再訪」
謎のキーマン「ミアノ」との対面
「ガル高」とは何だったのか

第四章 日本人監督の葛藤──山梨学院、仙台育英、世羅
「旅の後の日常」で気がつくこと
山梨学院「上田監督」の葛藤
箱根優勝で「批判」が殺到
仙台育英「アベック優勝」の余波
優勝後に届いた「殺人予告」
留学生の「年齢」問題
「日の丸・君が代問題」の衝撃
町の「シンボル」を立て直せ

第五章 駅伝スター「その後」の明暗 
対照的な二人のランナー
尊敬される町の兄貴分
送金アプリでお金を配る
陸上で得たお金をビジネスに投資
「ペースメーカー」で稼ぐ男
チャリティで学校・病院を運営
ワンジルの母を訪ねて
検死報告書が語る疑惑
何が二人を分けたのか

第六章 商品化するランナーたち
陸上の聖地「イテン」の朝
世界一「ストイック」な町
有名キャンプに潜入
ケニアが「中長距離大国」になるまで
商業化する「キャンプ」システム
ランナービジネスの弊害
稼げない「走り屋」たちの生活

第七章 走り屋たちの未来
終わりの始まり
「日本人選手がかわいそう」
「勝利至上主義」と言うけれど
神村学園、有川監督の変心
来日できないケニア人たち
残された「高校ルート」
コインの「表と裏」
走り屋たちの未来

あとがき

参考文献

担当編集者より

高校時代、陸上をやっていたせいか、お正月は箱根駅伝を見るのが習慣で、山梨学院大がケニア人留学生を起用して、無名校から一気に強豪校にのし上がるのを衝撃をもって見てきた世代でもあります。しかし、毎年、「花の二区」の区間記録を更新する彼らの活躍を見続けてきたのに、彼らがケニアではどういう暮らしをしていて、どうやって日本に来て、そして卒業後に何をしているのか(意外とその後の国際大会の1万メートルやマラソンには出ていない、つまり箱根駅伝がピークの選手が多い)については知らないことばかりでした。そして、日本の高校や大学の思惑で、はるかかなたから日本に連れてこられた少年、少女たちが、今、外国人排斥という大波に翻弄されていることも、本書ではじめて知りました。記号としての「ケニア人留学生」に血が通った瞬間でした。来年(2026年)の箱根駅伝は、ちょっと見方が変わったと思います。

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