作品紹介

「角田光代の隠れた傑作」といわれる、
不完全な恋人たちの、キュートでちょっと毒のある11のラブストーリー。


リョウちゃんは、あたしのたいせつな恋人は、
あたしの前で口を開いた洞窟なのだ。
そうしてあたしは未だその入り口で立ちすくみ、
その一番奥に何があるのか見極めるための
一歩を踏み出せないでいる。
            ──「お買いもの」より

ハッピーエンドから始まる恋人たちの幸せな日常。
どこにでもいるようで、でもちょっとクセのある11組の恋人たち。
買い物依存症、風呂嫌い、万引き常習犯、迷信好き……。
この恋愛短篇集は、極端な恋人たちを描きながらも、
いつしか、読む者の心の奥に眠らせていた記憶を呼び覚ます。
文句なしの面白さと怖さに震える、長年偏愛されてきた傑作です。

「だが、だからこそ、物語が進むにつれて、そのおかしさが物悲しさへと変わっていく。
どうして、この人は、このままで許してもらえないのだろう。
どうして、最初は許されていたものが、許されなくなってしまうんだろう。(中略)
相手の中の「どうしても許せない部分」が、自分の過去、コンプレックス、傷、そしてそれらに飲み込まれずに生き続けるためにまとってきたたくさんの鎧と関係していることに気づいていくのだ。
作中で「裸んぼで暮らせたら問題なかったんだろうな」という言葉が出てくるが、この物語たちは、裸んぼではいられない、過去を、痛みを、コンプレックスを、すがるものを切り離せずに着膨れながら生きていくしかない人間のかなしみを見つめた作品なのだ」(解説より 芦沢央)

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担当編集者より
池上冬樹さんが“角田光代の隠れた傑作”と絶賛した『太陽と毒ぐも』が新装版で登場です!
一見幸せそうな恋人たちにも、不意に微かな違和感や不信感が訪れる瞬間があります。あたたかな太陽の光が突然暗い雲に遮られるように──。
それぞれにクセのある、不完全な恋人たちの、キュートでちょっと毒のある11のラブストーリーは、どれも実に傑作揃いで思わず唸ってしまいます。
解説は大の角田ファンの芦沢央さんです。
「自分が何者かなんてラベルとは関係ない、もっと奥のほうにいる自分の欠片たちが口々に騒ぎ始める。この感情は知っている、この感情はここにもある、これは私のための物語だ、と。」と熱い解説を寄せてくださいました。
文句なしの面白さの中に、とてつもない哀しみが隠れていて、読後、しばらく呆然と立ち尽くしてしまう──そんな感覚を味わってみてください。(担当TI)
商品情報
書名(カナ) タイヨウトドクグモ
ページ数 304ページ
判型・造本・装丁 文庫判
初版奥付日 2021年07月10日
ISBN 978-4-16-791722-7
Cコード 0193

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