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東大紛争後、再建に尽力した林健太郎

東大紛争後、再建に尽力した林健太郎

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 林健太郎は大正二年(一九一三年)生まれ。昭和四十三年(一九六八年)東京大学文学部長当時、東大紛争で全共闘の学生らに百七十時間に及び軟禁され、学生側と団交を行ったが、学生側の要求をことごとく拒否した。

 昭和四十八年、加藤一郎総長のあとを受けて東大総長となる。もっとも総長という呼び名は学内の習慣で、正しくは東京大学長。四年間にわたり、学園紛争の収拾と大学の再建に尽力した。

〈謹厳である。照れ屋なんだという人もいる。挙措動作が端正で、酒は好きだが決して乱れない。羽目を外すということがない。それは必ずしも東大総長という肩書が着せた鎧ではないようだ。では近づきがたいかといえば、笑顔には何ともいえぬ魅力があり、神宮のスタンド(東京六大学野球観戦)では女子学生と肩も組む〉(「文藝春秋」昭和五十一年七月号〉

 昭和五十八年、参議院選挙で自民党から比例区で出馬、当選した。平成十六年(二〇〇四年)没。

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