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力道山、ステーキと格闘する

力道山、ステーキと格闘する

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 〈全く女房たちのする事は見ちゃいられない。ご覧のように私は料理の腕にかけたって誰にも負けないつもりだ。忙しい時でも月に二、三度は自分でやっている。だいたい道具が足りない。ノコギリで切ったようなサシミでは困るわけだ。それにムードが大切だ。食欲増進のためにも壁をピンクにした方がいい〉 「オール讀物」昭和三十九年(一九六四年)二月号の「台所拝見」なるグラビア・ページに掲載された、力道山が料理をする勇姿。昭和三十八年(一九六三年)十一月一日撮影で、当時としては破格のモダンな自宅のキッチンでステーキを焼く構図は、庶民のあこがれであっただろう。

 撮影から一月後の十二月八日。赤坂のキャバレー「ニューラテンクォーター」で暴力団員と喧嘩し、ナイフで腹部を刺された傷が原因で十二月一五日に化膿性腹膜炎で死去した。享年四〇。

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