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“日本一の人気演劇人”つかこうへいの情熱、“韓国との橋渡し”

“日本一の人気演劇人”つかこうへいの情熱、“韓国との橋渡し”

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 昭和二十三年(一九四八年)、福岡県生まれ。慶應義塾大学在学中から演劇活動を始め、七〇年代、「熱海殺人事件」などの作品で、劇場につねに長蛇の列を作らせる「つかこうへいブーム」を巻き起こした。昭和五十七年には小説「蒲田行進曲」で直木賞を受賞する。

 日本語が秘めていた圧倒的なパワーを世に示し続けた、日本一の人気脚本家・演出家は、本名・金峰雄(キム・ボンウン)、韓国籍の在日二世である。ペンネームは「いつか公平な世の中に」という願いから、というのは「伝説」(本人は別の由来を語っている)だが、その志どおり、後年は韓国での演劇制作活動に邁進した。韓国人俳優による「熱海殺人事件」や「蒲田行進曲」の上演が、韓国の演劇、映画界に与えた影響は大きい。日本と韓国の文化的橋渡しに実際もっとも貢献した人物、といっても過言ではない。

 平成二十二年(二〇一〇年)七月、肺ガンで死去、遺書には、対馬海峡あたりに散骨してほしい、と書かれていた。写真は平成十七年九月に撮影。

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