文学座の劇団員とともに野球に興じるのは、女優の杉村春子。
〈ひと呼んで“文学座の女座長”。とにもかくにも文学座の屋台骨を、ほとんどひとりで支えてきた。福田恆存氏にひきいられた劇団“雲”の分裂騒ぎ、つづいて三島由紀夫氏の“喜びの琴”事件(新作の戯曲を上演拒否)で、幹部・中堅どころがごっそり退団した。一時は危ぶまれた文学座だったが、建直しに成功、今年三十周年を迎えた〉(「文藝春秋」昭和四十二年=一九六七年八月号)
女学校の音楽教師から、築地小劇場に入り、文学座創立に参加。以来芝居ひとすじである。「女の一生」の布引けい役は終生の当たり役となった。「欲望という名の電車」「華岡青洲の妻」などの舞台のほか、映画、テレビでも幅広く活躍。
平成七年(一九九五年)には文化勲章の候補に挙がったが、辞退した。平成九年(一九九七年)没。
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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