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潜水夫になりたかった檀 一雄

潜水夫になりたかった檀 一雄

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 檀 一雄は料理上手で有名だったが、水泳も得意だった。「最後の無頼派」といわれた檀 一雄は、明治四十五年(一九一二年)生まれ。東京大学経済学部入学後、太宰 治、井伏鱒二らの知遇をえる。戦前、日本浪漫派を代表する存在となるが、戦後は一時執筆を中断していた。

「長恨歌」「真説石川五右衛門」で第二十四回直木賞を受賞。代表作「火宅の人」では自らの愛人との生活とその破局を描いた。太宰との交友は有名で、太宰の死後「小説 太宰治」を執筆した。

〈何でも思いつくと、すぐ実行に移した。「潜水夫になりたい」。昭和二十六年六月十九日、油壺にて決行する。奇しくもその日は、昭和二十三年に入水自殺した太宰 治の桜桃忌当日。「海底で、太宰の死霊の導きを受けているようだった」と畏友を偲んだ〉(「諸君!」平成十五年=二〇〇三年五月号)

 昭和五十一年(一九七六年)没。

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