9月に発売した陳浩基・著のミステリー小説『13・67』が本日発表の「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門の第1位に選ばれました。
“天眼”と呼ばれた香港警察きっての名刑事クワンと愛弟子のローを主人公に、2013年から1967年へと逆年代記で語られる香港の闇とは――。
2014年に台湾で発売となった本作は、台北国際ブックフェア大賞など複数の文学賞を受賞。香港の映画監督ウォン・カーウァイが映画化権を取得しており、日本を含む世界12カ国で翻訳出版が決定している話題作です。なお、中国では諸般の事情により刊行の見通しが立っておりません。
「週刊文春ミステリーベスト10」は日本推理作家協会会員やミステリー作家、文芸評論家、翻訳家、書店員、大学のミステリー研究会、ミステリー愛好家へのアンケートを集計して決定するものです。
今回で41回目にあたり、今年も170人以上の皆様より回答をいただきました。
「2013年から1967年へ歴史をさかのぼる逆年代記形式が、最高の効果を上げている」(法月綸太郎 作家)
「社会派と本格ミステリーの稀有な融合」(千街晶之 文芸評論家)
「本作を超える傑作には当分出会える気がしない。文句なしの1位」(宇田川拓也 ときわ書房本店)など、熱い支持を得ての1位選出となりました。
著者の陳さんは、「仮に英国をヨーロッパにおけるミステリーの中心地とすれば、アジアの中心は日本ということになるでしょう。拙作が日本語に翻訳され、日本の読者に読まれることは望外の喜びです」と語っています。