甲子園、そしてプロ野球の世界で活躍し、その豪快なホームランで人々を魅了してきたヒーローは、2年前に覚醒剤取締法違反で現行犯逮捕されました。栄光と転落、挫折と屈辱、薬物依存、鬱病との戦いの日々……執行猶予中の今、自らの罪を省み、改めて半生を綴ったのが本書です。その「告白」は極めて真摯で、ときに読み手の気持ちを締め付けるような赤裸々な思いが吐露されており、今年7 月 25日の発売直後から売り切れとなる書店が続出しました。
メジャーリーグのダルビッシュ有投手は、自身のブログで本書について「素直で弱音も吐きながら自分の過去を話していて人間らしさが見れてすごく良かったです!」と感想を記した上で、「さぁ皆で清原さんのセカンドチャンス、応援しましょうよ! 甘いとか自業自得とか聞くけど、そんな理由で人の人生を消してもいいのでしょうか? あなたのお子さんが同じ境遇になったらどうしますか? 自分は誰がなんと言おうが応援していきます!」と熱いエールを送っています。
また、スポーツライター時代に清原氏を取材していた乙武洋匡氏も本書を読み、ツイッターで「苦しい時に逃げてしまう。甘えてしまう。その弱さはどこから来るのか。その弱さはどうしたら克服できるのか。稀代の英雄にも、私自身にも、まだその答えは見つかっていない」とコメントしています。
読者の反響も、SNSを中心に大きく広がっています。「読んでいくうちに目が潤んでいた」「なんて悲しいほど純粋な人なんだろう」「まわりに失望を与えたからこそ、何年かかっても再起してほしい」「なぜか真面目一本槍だった私の父親の晩年の姿に重なります」「僕はあなたのホームランに勇気をもらった。今度は僕があなたに勇気を与えられたら」――反響の広がりとともに版を重ねています。
清原和博氏 本人コメント
今、自分がどういう状態で、これまでの人生をどう考えているのか。なるべく、ありのままを告白したつもりでしたが、それでも、思ったことが言えたのか、世の中に残すようなものなのか、自信がありませんでした。
ただ、こういう状況にある自分の言葉に、まだ目を向けてくれる人がいるというだけでありがたいです。