作品
無名時代の詩篇、俳句、書簡。藤沢文学の源流を自ずとあかす貴重な文章。さらに遺書をおさめ、人生の伴侶にふさわしい全集完結
藤沢さんが遺した時代小説の豊かな世界。最晩年の、日本人への遺書というべき「漆の実のみのる国」のほか、時代小説七篇を収む
十八歳の冬、いつも海を見ていた。そして今は――。失業生活のなか、徐々に壊れゆく中年男の想いをリアルに描いた表題作の他三篇収録
初老の勤め人の孤独と寂寥を描く唯一の現代小説『早春』。加えて時代小説の名品二篇と随想四篇。作家晩年の心境を伝える透明な文章!
江戸の十二カ月を鮮やかに切りとった十二の掌篇と広重の「名所江戸百景」から触発された七つの短篇。人の世の光と翳が息づく物語
一汁一菜に甘んじつつ財政改革に心血そそいだ上杉鷹山と執政たちの無私の心と苦悩を描き、藤沢さんの遺書とさえよばれた傑作長篇
諦念をひめた静かな叙情。藤沢さん二十代の療養生活、みじかい句作時代の百余句。その明澄な世界は藤沢文学の源泉そのものである
失業生活のなか、徐々に壊れゆく男の日常を描いた、芥川賞受賞第一作の表題作他三篇収録。鋭い視点で現代社会をリアルに捉えた短篇集
表題は初老の勤め人の寂寥をえがく唯一の現代小説。加えて時代小説二作と、作家晩年の心境をうつしだす随想・エッセイ等を収める
自身を語ること稀だった含羞の作家が、初めて筆をとった来しかたの記。郷里山形、生家と家族、学校と恩師、戦中戦後、そして闘病。詳細な年譜も付した藤沢文学の源泉を語る一冊。
自ら一汁一菜を用い木綿を着用。政治とは民の膏血をしぼり為政者が贅を購うことではない。鷹山と藩政改革をえがく傑作長篇小説
作者秘愛の浮世絵から想を得てつむぎだされた短篇名品十九篇。市井のひとびとの陰翳ゆたかな人生絵図を掌の小品に仕上げた極上品
北国の藩、筆頭家老暗殺につかわれた幻の剣「馬の骨」。下手人不明のまま六年過ぎ、密命をおびた藩士と剣士は連れだって謎の秘剣をさがし歩く。オムニバスによる異色作。(出久根達郎)
おなじみ藤沢市井小説七篇。呑んだくれの父に手をやく嫁入り前の娘と母。置きざりの老婆。岡場所で再会する男女等、最新名品集
自身を語ること稀だったこの作家が初めてあかす半生記。郷里山形、生家と家族、戦中戦後、そして闘病。藤沢文学の源泉を語る一冊
病弱の身体をおして幕政改革にうちこんだ新井白石をえがく「市塵」に加え単行本未収録の珠玉篇多数をおさめる。本巻をもって完結!
武家の妻の淡い恋心をかえらぬ燕に託してえがく「玄鳥」をはじめ、円熟期の最上の果実と称賛された名品集である。他に「浦島」「三月の鮠」「闇討ち」「鷦鷯」を収める。(中野孝次)
酒びたりの父をかかえる娘と母、市井のどこにでもある小さな不幸と厄介ごと。表題作の他「にがい再会」「永代橋」「踊る手」「消息」「初つばめ」「遠ざかる声」など市井短篇小説集。(駒田信二)
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