作品
人には言えない歪みを抱きながら戦前~戦後の日本をひとり生きた女性を描く表題作のほか、名手・皆川博子の傑作短篇七篇を収録。
北海道の小さな町で出会ったふたりの女の子「ニコ」と「弥子」。共闘して仕事をして「ここではないどこか」へゆこうとするが……。
顔の爛れたおばさんと暮らすぼく。月の見張りの老人、アパートのおじさん。富に無縁な人々を静かに雨が包む。永遠を結晶化した傑作。
『大いなる助走』から四半世紀、巨匠・筒井康隆が再び文壇の内幕を描く! 前衛的文芸誌「ベラス・レトラス」に集う作家たちの命運。
私の彼は元彼女と同棲中……話題を呼んだ表題作と、女子同士の複雑な友情を描く「亜美ちゃんは美人」を収録。大江健三郎賞受賞作。
下町の小さなハンバーグ店に集うおかしくも愛しき人たち。つらいことがあっても、生きているって素晴らしい! と実感できる感動作。
治療を一切受けず食べる欲求だけで病気に立向かう主人公の壮絶な生き方―自ら末期癌と闘いつつ最期まで創作を続けた著者の作品集。
“あの事故”で国土を失い、世界各地の難民キャンプで暮らす日本人。確かな情報も希望もなき異邦の地で「日本人として」生きる人々。
昭和20年代後半、医学を志していた「私」は家庭の事情で学業を中断して就いた教職に天職を見出し、教員になろうと決意する。実体験
少年に妻子を殺された男。夫の家庭内暴力に苦しむ女。ひょんなことから同じ職場で働くことになった二人は、共に立ち直りを目指す
モトクロスに青春を賭ける青年・貞二の挫折と恋、多感な時期の葛藤を描いた、オール讀物新人賞受賞作を含む青春小説6篇を収録
東京での仕事を辞め、故郷で夜行バスの運転手となった利一。様々な事情を抱え夜を渡る人々を見てきたが、ある夜思わぬ人が乗車する。
まだ貧しく垢抜けなかった昭和三十年代に子供時代を送った女性達の遠い記憶の断片と、いま直面する現実とが織りなす、五つの物語
大正に生まれ、戦火を逃げのび、戦後の自由な時代の波に乗り……平凡だが幸せな姫野版「女の一生」。直木賞候補にもなった傑作長篇
引っ越しの朝、男に振られた。やってきた蒲田の街で名前を呼ばれた。ひと夏の出会いと別れを「ムダ話さ」と歌いとばすデビュー作
同期入社の太っちゃんが死んだ。約束を果たすべく、彼の部屋にしのびこむ私。恋愛ではない男女の友情と信頼を描く表題作他全3篇
冬山の峻厳さを描く表題作のほか、「地獄への滑降」「遭難者」「遺書」「霧迷い」など、遭難を材にとった迫力溢れる山岳小説全十編。
日常生活の一場面を綴ったエッセイから一転、現実と空想が交錯する物語が展開される六つの連作短編集。あさのあつこの意欲作!
黒船が来航し時代が変わろうとしている折、喜平次はある目的のために身分を隠し船渡しとなっていた。己の為すべきことはこれなのか?
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