作品
中宮彰子に仕えつつ『源氏物語』を執筆する流行作家・紫式部。鋭い観察眼ゆえに見えてしまう、うき世の美醜。独白体で綴る中編小説
彼は私のことを「ふたごのようだと思っている」と言った。私はそうは思わない……。とあるバンドの結成前夜を描いた極上の青春小説。
別れた不倫相手の左腕と暮す「くちなし」、運命で結ばれた恋人に会うと体に花が咲く「花虫」など繊細に紡がれる傑作短編集。
詩人で絵本作家の笹原、画家の石黒、四十代後半の美しい珠代の三角関係をやわらかい人間観で描く長篇。失踪した石黒を追う二人。
とある東京の小学校を舞台に、人間タワーをめぐる人間模様を複数視点から描くことで、社会の断面を明らかにしようという果敢な試み。
女性用デートクラブ、無許可営業のデリバリーヘルス、AV女優の経営するフィリピンパブ――風俗業で生きる女と男たちの心情の遍歴。
郊外の老人ホームに交錯する人々の哀歓を綴る「夕日の丘」。癌を得て明らかになる医師の妻の半生をたどる「虹のかなたから」。
彼と父を見送った私に癌が見つかった。ともに暮らす画家の母は要介護4だ。私が必要な母と私、一卵性母子による愛と涙の闘病記。
2013年から1967年へ香港警察の名刑事の人生を遡り、権力者と民衆の相克を描く中国語ミステリーの到達点。翻訳オファー殺到!
約束のない人生を歩む・・・人それぞれの道を。愛と感謝の誠で綴る我が半生。歌人による自伝的小説。
化粧品会社の駐在員としてパリで暮らす渚詩子は謎の弁護士と恋に落ちる。フランス、中東、京都を舞台に大女優が描く壮大な愛の物語。
アメリカ文学シーンのカリスマ的存在として現在も尊敬を集める作家の最後の短篇集を村上春樹訳で。貴重なロングインタビューを併録。
わたしは父に連れられ遠くの星から来たらしい。父がそういった――芥川賞作家が、子どもとかつて子どもだった人に贈る命の物語。
なぜ私は体験していない南方の戦場や爆心地・長崎を書き続けるのか。出発点に立ち戻った作家の寓話的かつポリフォニックな中篇集。
大きな崩壊を前に、目に映るものは何か。交差する追憶と現実。樹々と川の彩りの中に、崩壊の予兆と人知れぬ思いを繊細に描き出す。
中学1年生で終戦を迎えた昭が、多感な少年期に戦時下の樺太で体感した、生と死の鮮烈なコントラストを描く秀作中編
昭和を彩る歌謡曲を題材に生れた小説たち。「時の過ぎゆくままに」「小指の想い出」など名曲が鮮やかに甦る珠玉の短編集。
恐るべき剣の才能を持つラップ少年の羽田融。壮絶な果たし合いを経てさらに激しい運命が……。綾野剛主演映画の原作小説第二弾!
日夏と真汐と空穂。女子高生3人の〈ファミリー〉とそれを見守る同級生たち。3人の均衡の中で生まれるドラマを巧みに語る傑作長編。
主人公のカズハは17歳。いじめや自殺のあふれる日常で、恋をして喧嘩をしてごはんを食べる。みずみずしい文体の小説!
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