中立条約を平然と破るスターリン、戦後体制を画策する米英。世界史の転換点で溺れゆく日本軍首脳の宿痾と、同胞の悲劇を壮烈に描く
『日本のいちばん長い日』で終戦の日のドラマを描き、『ノモンハンの夏』で帝国陸軍首脳の無責任を鋭く衝いた著者が、この二つの名著のテーマが交差する時空を敗戦直前の満洲に定め、描き切った力作です。日露戦争の復讐の野望に燃えるスターリンと原爆を投下して戦後政略を画策する米英との間で無策の日本軍首脳は、この地にあった百万邦人を見棄てます。それは日本の軍隊が国民のための軍隊ではなく、国体護持のための天皇の軍隊であったからだと、著者は結論づけています。(TY)
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