俳号は変哲(へんてつ)、昭和ヒトケタの戦中派。蒲田で育った少年期、ハモニカ吹かせりゃ名人で、お医者ごっこもお手のもの。早稲田大学でオチケンを創設し、新劇役者を志す。映画や舞台に大忙しで、不惑を過ぎてはこの国の放浪藝を探求し、ラジオじゃ「あしたのこころだ」と叫びつづけて40年。
俳優、エッセイスト、俳人、ラジオのパーソナリティと多彩な才能を発揮した〝異能の人〟小沢昭一について、ラジオ番組「小沢昭一的こころ」の筋書作家をつとめた著者が記した一冊。向島、下諏訪温泉、蒲田、亀戸天神など、小沢昭一が愛した馴染みの場所を訪ね、その足跡をたどる。
盟友の加藤武、劇評家の矢野誠一と著者による鼎談を巻末に収録。
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