名人をめぐる争い「天保の内訌(ないこう)」は意外な結末を迎え、幻庵(げんなん)(因碩(いんせき))の人生は彷徨い始める。妻の失踪、弟子の喪失、幕府との軋轢……そして「黒船来航」という未曽有の国難が迫っていた――囲碁に一身を捧げた幻庵が、最後に辿り着いた境地とは? 滂沱の涙必至のクライマックスへ、破天荒な男の生き様が炸裂する! 解説・趙治勲(ちょう・ちくん)
第六章 天保の内訌(承前)第七章 吐血の局第八章 黒船来航エピローグ付記資料 歴代家元四家一覧おもな囲碁用語解説 趙治勲
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著者の百田尚樹さんが、「デビュー以来ずっと書きたかった」と公言する、とっておきの歴史大河エンタメ小説が、ついに文庫になりました。三千年前に中国で生まれたとされる囲碁を、現在のような形に進化させたのは、江戸時代の日本人でした。徳川家康は碁を好み、当代有数の打ち手に扶持を与え、碁に精進するよう命じました。やがて、四つの家元が生まれます。主人公は、のちに囲碁四家の一つ、井上家の当主「幻庵因碩」となる少年・吉之助。少年はやがて、囲碁界最高権威「名人碁所」をめざし、「史上最強の名人になる」という大望を抱くようになります。そして、彼の前に立ちはだかる数多の天才たちとの激闘――。囲碁というと、とっつきにくいイメージがありますが、ご安心ください。担当も囲碁のことを何一つ知らずに読み始めましたが、まったく引っかかることなく、一気読みしました。天才たちのめくるめく戦いの物語として、そして主人公・幻庵という稀代の囲碁棋士の一代記として、百田さんらしい熱い物語世界に、どっぷり浸かってください。(担当KN)
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