髪結いの伊三次とよりを戻した深川芸者のお文に執拗に言い寄る伊勢屋忠兵衛の黒い影。やがて事件が起こり、お文の家は炎上した
伊三次とお文ぶんの物語も、早いものでもう三冊目です。同心のお手先を務めるしがない廻り髪結いと、深川の売れっ子芸者の、不釣り合いな恋物語は、いよいよ急展開。ついにお文は家を火事で失い、深川を出るはめになります。果たして二人が結ばれる日は来るのでしょうか。著者は先般、『深川恋物語』という作品で吉川英治文学新人賞を受けました。時代小説作家として、いよいよ脂が乗ってきたといったところでしょうか。(AK)
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