第171回芥川賞候補作。「俺を転売して下さい」喉の不調に悩む以内右手はカリスマ”転売ヤー”に魂を売った⁉ ミュージシャンの心裏を赤裸々に描き出す。
尾崎さんから、次は「転売」についての小説を書きます、と伺ったのは2021年3月のこと。それから丸3年、多忙をきわめる活動のなか、苦心しながら書き続けて完成したのが本作『転の声』です。最後まで書き上がった第一稿を拝読したのは、今年の3月。一読して、3年も書きあぐねていたとは思えない、小説の瑞々しさに心打たれました。あの日の「いま、転売を書きたいんです」との口ぶりの熱さが、少しも温度をさげず、全篇にみなぎっている。そのことが、尾崎さんが3年間ずっとこの小説に本気で対峙してこられた、何よりの証左だと感じて感動したのです。小説の主人公である以内右手。くすぶった気持ちでエゴサをしまくる、このロックバンドのフロントマンに、はたして、著者の姿はどれくらい投影されているのか、されていないのか。『母影』から3年半、したたかさを増し、不穏な精緻さにいっそう磨きのかかった小説世界をぜひ味わってください。
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