単行本

平成の天皇皇后両陛下大いに語る

2,200 (税込)
発売日2024年11月12日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) ヘイセイノテンノウコウゴウリョウヘイカオオイニカタル
ページ数 184ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2024年11月10日
ISBN 978-4-16-391918-8
Cコード 0095

両陛下は「雑談」の妙を楽しまれたに違いない

「保阪君、雲の上の人に会う気はあるか」
 故・半藤一利氏にそう声をかけられたのをきっかけに、筆者は2013年から2016年の3年間で6回も、天皇、皇后両陛下(現上皇、上皇后)に御所にお招きいただき、それぞれ数時間にわたる「雑談」を、都合20時間以上重ねた。
 近現代史を研究してきた筆者にとって、両陛下のお話は歴史の機微に触れる、まことに貴重な証言であったのと同時に、いずれ編まれるであろう平成の天皇実録の史料として、この雑談の記録を残しておくよう、侍従長であった故・渡邉允氏に強く勧められたこともあって、「文藝春秋」2023年1月号、2月号の2回にわたってこの懇談録を執筆した。
 これに、2015年5月号掲載の渡邉侍従長との対談、2018年9月号掲載の川島裕侍従長との対談を合わせて、平成の天皇、皇后両陛下の、常に歴史と国民に向き合われてきたお姿を記録したのが本書である。
「日本にはどうして民主主義が根付かなかったのでしょうね」
「石原莞爾はそういうところ(田中メモランダムの執筆)でも関与しているんですかね」
 など、公式の場面では絶対に出てこない陛下のお言葉は、昭和、平成の2代の歴史の重みを自然と感じさせる。
 両氏が御所にお招きいただいたのは、ちょうど陛下が「生前退位」をお考えになっていた時期でもあった。
 歴史の大きな節目に関わった、歴史研究家による貴重な記録が本書なのである。
 

目次

はじめに(書き下ろし)

平成の天皇皇后両陛下大いに語る
――御所で懇談6回、満州事変、エリザベス女王からテニスコートの恋まで
渡辺允さんの心配していたこと/陛下も日記などは残されている/どれだけの側近が書き残しているか/「君も書き残しておきなさい」/御所の庭を望む応接室で/「どうして民主主義が根付かなかったのでしょう」/「建物が何一つないんですよね」/「日本の若い人も養蚕に関心を……」/「殿下とテニスをすると言われて緊張していました」/「チャーチルさんは慈父のようでした」/「いろんな思いが私にも伝わってきました」/「英国の有力者はみな気を遣ってくれた」/「エチオピアの皇太子とは親しくなりました」/「これは妹が買ってきたお土産なんです」/「アフガン軍は巧みだったと聞いています」/「満州事変についてはどう考えていますか」/「私の読んだ本に書いてあることとは違いますね」/「田中メモランダムは誰が書いたんですか」/「石原莞爾は関与しているんですか」/石原へのこだわりは昭和天皇の影響か/陛下の本当のご関心/「先帝は英語がわからなかったと思いますよ」/陛下と美智子さまのちがい/「初めて飛行機で寝ました」/

続・平成の天皇皇后両陛下大いに語る 両陛下に大本営地下壕をご案内いただく 
――「ここで終戦の会議が開かれたんですね」陛下は笑顔で言い添えた
「この前、悠仁と散歩しました」/「タヌキが出て来て危ないんです」/「ここで終戦の時の会議が開かれたんですね」/「今はタヌキが住んでいるらしいですよ」/「岡部さんというのは骨のある方ですよ」/「あら、岡部さんをご存じなの」/「歴史はスカッとするためにあるわけではない」/御文庫に現れた青年将校の思い出/陛下は何も言わずに話をお聞きになっていた/「母は私の人生の目標でした」/「母は本当に立派な人でした」/三笠宮殿下が示した「菊のカーテン」/皇室内の厳しい空気/腑に落ちない表情で「そうですかあ」/「あら、私もキリスト教の大学なのよ」/「なぜマニラで市街戦をやったんですか」/陸軍と海軍の対立でマニラは戦場に/「牟田口の名前は知っています」/「その人は今どうしているんですか」/「光格天皇は字がお上手でしたよ」/陛下の友人のアイデアだった献花外交/「私は勉強したんですよ」/宮内庁から自宅に郵便が届いた/日常の所作に「人間天皇」が表れていた/雑談を欲しておられるのかもしれない
〔追記〕(書き下ろし)

前侍従長連続対談1 
渡邉允×保阪正康
パラオご訪問秘話
天皇皇后両陛下「玉砕の島」にかけた二十年の祈り
――天皇陛下の強い意志で始まった南洋群島慰霊の旅。行動で示される「あの戦争」への想いとは
なぜペリリューに行かれたのか/より切実になったあの戦争への想い/美智子さまが果たされる役割/追悼に終わりはあるのか/「原点」に立ち続ける両陛下

前侍従長連続対談2 
川島裕×保阪正康
両陛下最後の8月15日
――「平成最後のあの日」をどう締めくくられるか
共感を呼ぶ「人間的」なおことば/「一人ひとりの悲しみ」を受け止める/国民と同じ目線で/「伺うことも心がはばかられた」/皇太子殿下が語る戦争体験の継承

おわりに(書き下ろし)

著者

保阪 正康

昭和史研究家。1939年、札幌市生まれ。同志社大学文学部卒。編集者時代の1972年に『死なう団事件』で作家デビューして以降、一貫して日本の近現代史を検証し続け、約5000人もの歴史の証人を取材してきた。2004年、昭和史研究の第一人者として第52回菊池寛賞を受賞。主な作品に『東條英機と天皇の時代』、『瀬島龍三参謀の昭和史』、『昭和史七つの謎』、『昭和陸軍の研究』、『あの戦争は何だったのか』などがある

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