手塚治虫。昭和三年(一九二八年)生まれ。本名「手塚治」。ペンネームの「治虫」は、小学校五年生のときに昆虫マニアだったときにつけたという。
落語や漫画映画にも熱中したが、一番心魅かれたのが漫画だった。なにしろ少年時代に描いた“長編”はじつに三千枚に及ぶ。手塚作品に登場するキャラクターにはこの時期に作られたものが多い。
写真は昭和五十九年(一九八四年)、漫画生活四十年、全集が三百巻に到達したのを期に撮影された。
レオ、鉄腕アトム、ヒゲオヤジ、ブラック・ジャック、写楽……といったおなじみのキャラクターが、所狭しと並んでいる。驚異というほかない偉業だが、
〈スタミナの秘訣は、一日四、五回の食事と一時間程度の小刻みな睡眠だそうだ。昔は人が寝ているのを見て、「どうして眠るのですか」と質問を発したほどのタフネスの持ち主である。三百という数字の感想を尋ねると、ただ一言、「茫然としています……」〉(「文藝春秋」昭和五十九年十二月号)
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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