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藤沢秀行の日々これ勝負

藤沢秀行の日々これ勝負

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 しゅうこう先生と人は呼ぶ。大正十四年(一九二五年)生まれ。九歳で日本棋院の院生となる。昭和三十七年(一九六二年)第一期名人位を獲得。

 棋聖戦六連覇の偉業を達成した後、五十代後半で胃がんを宣告され、胃を四分の三切除したが、好きな酒もタバコもやめなかった。闘病後、史上最高齢の六十六歳でタイトルを獲得(王座)するなど、強さと個性で際立ち、終生のライバル坂田栄男との対決は多くのファンを魅了した。

 また、競馬、競輪などギャンブルにも造詣が深く、莫大な借金を抱えながらも、破天荒な生き方は囲碁界ばかりでなく、幅広い層から愛された。

〈盤に相手と相対して戦うのが勝負じゃないんです。日々これ勝負、日常座臥が勝負なんです。ところが、多くの人は碁を打つときが勝負で、勝ちたい、勝ちたいと思うんですね〉(「週刊文春」平成十一年=一九九九年八月二十六日号「阿川佐和子のこの人に会いたい」より)

 平成二十一年没。

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  • 『星落ちて、なお』澤田瞳子・著

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