淀川長治は明治四十二年(一九〇九年)生まれ。ユナイテッド・アーチスツ大阪支社に入社後、昭和十一年(一九三六年)に来日したチャップリンを取材し、チャップリン評論の第一人者となる。
戦後「映画之友」編集長となる。このとき、部下に後に映画評論家となる小森和子、また写真部長に芸能人の撮影で有名となる早田雄二がいた。テレビ朝日系の「日曜洋画劇場」の解説を長年つとめ、独特の語り口で人気を博した。とりわけ、最後に番組を締めくくる「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」の連呼が、流行語となった。
〈わたし、映画でほんとに勇気づけられたんです。ロイドの「危険大歓迎」という映画ありました。ウェルカム・トラブル、「苦労こい」と。ああ、これ持たなァ、あかんなと思ったんですネェ。人みしりがきつくて、内気なもンが、映画でしらんまに、元気になりましてな……〉(「週刊文春」昭和四十五年十月十二日号)
映画とともに歩んだ人生だった。平成十年(一九九八年)没。
プレゼント
-
『赤毛のアン論』松本侑子・著
ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。
応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。