2011.08.29 文春写真館

第一回直木賞受賞者は川口松太郎

文・写真: 「文藝春秋」写真資料部

第一回直木賞受賞者は川口松太郎

 川口松太郎は明治三十二年(一八九九年)生まれ。小説家、劇作家。関東大震災後、大阪のプラトン社で川口は直木三十五の下で働いたが、二人ははじめことあるごとに衝突したという。しかし、〈直木は、次第に川口の目から鼻に抜ける利発さを好むようになったし、川口のほうも直木のさっぱりした破天荒な魅力に惹かれていった〉(『直木三十五伝』植村鞆音著)

 その川口は、昭和十年(一九三五年)上半期、「鶴八鶴次郎」などで第一回直木賞を受賞する。ただし、当時の注目度は現在とは比較にならないほど、低かったようだ。「週刊文春」昭和四十年一月二十五日号の大宅壮一との対談によると、

〈大宅 あの時分、新聞に出たかな。受賞の記事が・・・・・・。

川口 出ない、出ない。文芸欄にだって、のりゃしない。

大宅 原稿料は? あがった?

川口 一銭も・・・・・・。注文もふえるわけじゃなしね。

大宅 いまは、一夜あければ・・・・・・。

川口 まるで、評価がちがうよ、世間の、ね〉

 写真はこの対談時に撮影。受賞の翌年から連載が始まった「愛染かつら」は多くのファンを得た。

 昭和六十年(一九八五年)没。

画像貸出しについて
文藝春秋写真資料部は、テレビ、新聞、雑誌をはじめさまざまなメディアのニーズに迅速にお応えできるよう貸出しの体制を整えております。デジタル化された写真データは、現在約25万点。「文藝春秋」の「日本の顔」はじめ数々の企画もの、「週刊文春」のスクープ写真、「Number」のスポーツシーン、「CREA」や「CREA TRAVELLER」の国内外の自然の風景、さらには戦前の人物や行事を取り上げた資料的価値の高い貴重な写真もとりそろえております。
詳しいお問い合わせはこちらまで
(株)文藝春秋 写真資料部  電話:03-3288-6122 FAX:03-5276-7004