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三味線を弾く古賀政男

三味線を弾く古賀政男

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 「文藝春秋」昭和二十八年(一九五三年)八月臨時増刊号グラビアに有名大学の「母校のチャンピオン」が掲載された。

 顔ぶれは、藤山愛一郎(慶応・日商会頭)舟橋聖一(東大・作家)神近市子(津田塾・衆議院議員)、山本一人(法政・南海ホークス監督、のちに鶴岡姓となる)、池部良(立教・映画俳優)、浅沼稲次郎(早稲田・衆議院議員)、戸塚文子(日本女子大・「旅」編集長)。ここに登場したのが、写真の古賀政男(明治・作曲家)。

 アンケートには以下のように答えている。 〈(1)専攻学科 商科(2)卒論 市場論(3)成績 無回答(4)志望 在学中のマンドリンいじりから何となく(5)恋愛 彼女は死にました。「影を慕いて」なんかにその悲しみが残っています。(6)後輩への訓 頑張りは旺盛だがねばりが足りない〉

 明治三十七年(一九〇四年)生まれ。少年時代から弦楽器を愛し、マンドリン、大正琴など数多くの楽器をこなした。明治大学ではマンドリン倶楽部を創設。後年、美空ひばりの都都逸に三味線の伴奏もこなした。昭和五十三年没。

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