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『勝負に負けたことがない』と豪語した正力松太郎

『勝負に負けたことがない』と豪語した正力松太郎

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 正力松太郎は讀賣新聞の社主だった。

「勝負には一度も負けたことがない」と豪語、 マスコミ界の大御所として君臨した。

 明治十八年(一八八五年)生まれ。東京帝大法科大学を卒業後、警察官僚の道を歩むが、難波大助が皇太子(のちの昭和天皇)を襲撃した虎ノ門事件の警備不備の責任を問われて、大正十三年(一九二四年)懲戒免官となる。時をおかずして新聞を買収し、社長に就任。として大正力と呼ばれた。戦前、戦後を通じて新聞、テレビ、プロ野球、遊園地と次々に事業を成功させてきた。

 自作の格言から。

〈経験は尊いという、しかし、やぶ医者は何年たってもやぶ医者である。心すべきだ〉

(「週刊文春」昭和四十年=一九六五年四月十九日号)

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