「ワインに詳しい男はモテる」
「焼肉デートはエッチOKのサイン」
「ストールを巻いてちょいワル風にキメろ!」
……この手の「オヤジがモテるためのテクニック」を雑誌やネット記事で目にするたびに、私はイライラします。そして、頭の中でこう叫ぶのです。
「そんな表面的なことじゃない!」
確かに、ワインのワの字も知らないよりは知ってるほうが話が弾むでしょう。焼肉デートは、男女が打ち解けるにはなかなかいい方法だと思います。ストールを使いこなしている男性が大いに女性の目を引くのも事実です。しかし、ただ闇雲に実行すればモテたりヤれたりするってわけじゃない。むしろ、何も考えずにそういうのを真に受けることが一番よろしくないのです。
ああ、真に受けちゃったオヤジ様たちの姿が、走馬灯のようにまぶたの裏を流れていきます。デートの間、ずっとワインのウンチクを垂れ流していたオヤジ様。焼肉店の掘りごたつで必死に足を伸ばし、つま先で私の太ももをくすぐろうとしたオヤジ様。ストールの柄が奇抜すぎて「大蛇を首に巻いてる人」みたいになっていたオヤジ様……。
お洒落を気取れば愛されるわけじゃない。小手先のテクニックに長けることがゴールじゃない。無理に個性を演出する必要なんてない。オヤジという生き物だけが持つ素敵な特性は、そのままでいいんです。ちょっと危ういところは気をつけて、モテもちょっぴり狙いつつ、人生の充実も重要視して、オヤジとしての誇りを胸に楽しく生きてほしい。
そんな私の思いが形になったのが、この「オヤジかるた」です。ちょっと耳の痛いことも書いてますが、そこは愛のムチだと思ってがんばって読んで頂きたい。何卒、お付き合い下さいますようお願い申し上げます。
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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