本の話

読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア

キーワードで探す 閉じる
還暦土俵入りに備える二子山勝治

還暦土俵入りに備える二子山勝治

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

「土俵の鬼」の異名をとった初代若乃花幹士(本名花田勝治)。引退後は二子山親方となり、日本相撲協会理事長を務めた。

〈稽古に耐えられるかどうかは心の問題。苦しさに克って心が育つ。万事革新の世に伝統を墨守しているからこそ、世間様は我々の仕事に価値があると認めてくれるんだ〉(「文藝春秋」昭和六十三年=一九八八年六月号)

 写真は、還暦土俵入りに備え、早朝から都内阿佐谷の部屋で四股を踏む二子山親方。

〈土俵の怪我は土俵の砂でなおすんだ。怪我の度に休んでいたんじゃ、勝負師になれません〉(同)

 昭和三年青森県生まれ。父親が経営するりんご園が室戸台風の被害にあい、全滅。一家は北海道に渡って糊口をしのいだ。家計を支えるために就いた港湾での荷揚げの仕事で足腰が鍛えられたといわれる。昭和二十一年初土俵。横綱に昇進し、優勝十回。小兵ながら、得意技の呼び戻し(仏壇返し)など豪快な技で観客を魅了し、ライバルの栃錦と人気を二分した。平成二十二年(二〇一〇年)没。

ページの先頭へ戻る