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山田耕筰はブリンナー以上

山田耕筰はブリンナー以上

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

「オール讀物」昭和三十二年(一九五七年)八月号のグラビア企画「ブリンナー以上」には、音楽家の山田耕筰をはじめ、今 東光、三遊亭金馬など神々しいメンバーが勢揃いした。当時大ヒットしたミュージカル映画「王様と私」で一躍有名になったユル・ブリンナーにあやかった企画と思われる。

〈もともと頭の後方が孤城落月型に禿げていたが、四十二才の時人と賭をして剃ってから遂に全然生えなくなった。アスファルトを車が走る如く、禿げた頭にのみ文化が起るという信念を持っているから少しも騒がない。六年程前からアメリカのボールヘッデッドクラブにも入っている。唯一つ困ることは、演奏会でピアノを弾いている時、蚊や蝿がとまることである〉

 山田耕筰は明治十九年(一八八六年)生まれ。日本初の管弦楽団を作り西洋音楽の普及につとめ、ベルリン・フィルやレニングラード・フィルを指揮するなど、国際的にも活躍。また、北原白秋の作詞により、数多くの国民的歌謡、校歌を残した。

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