「文藝春秋」の名物グラビア〈日本の顔〉は昭和四十年(一九六五年)一月号から連載が始まった。以来登場した著名人は五百人を超える。
その第一回に登場したのが小林秀雄だった。明治三十五年(一九〇二年)東京生まれ。二十八歳のとき『様々なる意匠』が「改造」の懸賞論文第二席に入選。新しい文芸評論家として華々しくデビューした。以来『ドストエフスキィの生活』『無常といふ事』『考へるヒント』など、日本における批評文学の先駆的業績は大きい。
〈「ぼくは後をふりむかない。人生に対しても書いたものに対しても――先へ先へと考えてしまうのだ。一つの仕事をおえると、こんどはもう少しむずかしい問題を考えてやろうという気持だけがある」(清水寺参道にて)〉
「見開き三カット、一ページもの二カットで計八ページの〈日本の顔〉の構成は、開始当初から四十年以上まったく変っていない。
ポートレイトをはじめ、仕事、家族、交友関係、趣味などを載せた巻頭ページは、ゆるぎのない〈雑誌の顔〉である。
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『リーダーの言葉力』文藝春秋・編
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