写真は第二十四期名人戦第一局。終了の後、慎重に戦いをふりかえる大山名人(右)と挑戦者の山田道美八段(左)(「文藝春秋」昭和四十年=一九六五年六月号)。
大山康晴は大正十二年(一九二三年)生まれ。七歳にして将棋を覚える。大阪の木見金治郎八段の門下に入るが、兄弟子に鬼才と称された升田幸三がいた。
〈大山名人にとって、この兄弟子の存在は、無くてはならぬものであった。「私にとって、升田さんを兄弟子に持ったことは、この上ない幸運であった。もし升田さんがいなければ、今日の私があり得たかどうか。おそらく不可能ではなかったろうか。それが後年、宿命のライバルなどといわれるようになったのだから、運命の皮肉を感じないわけにはいかない」
昭和二十七年第十一期名人戦で木村義雄名人に挑戦。これを破り名人位につく。通算千四百三十三勝、タイトル獲得八十期など歴代一位の輝かしい記録を持つ。平成四年(一九九二年)没。
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