平成二十二年(二〇一〇年)の日本人二人のノーベル化学賞受賞は明るい話題だが、過去、ノーベル賞授賞式に欠席した日本人科学者が二人いた。一人は、夫人の体調不良と自らの体力の問題で出席を辞退した南部陽一郎シカゴ大学名誉教授。そしてもう一人が、東京教育大学教授だった朝永振一郎である。残念なことに、肋骨を折ったため治療の必要から授賞式の出席はならず、在日本スウェ―デン大使館で賞が授与された。
明治三十九年(一九〇六年)生まれ。量子電気力学における基礎的研究で優れた功績をあげたとして、昭和四十年(一九六五年)ノーベル物理学賞を受賞した。
〈理論の完成期は一九四十年代。つまりもっとも日本も博士も窮迫していた時期で、終戦後これが欧米に発表されたとき、学界を瞠目させたという〉(「週刊文春」昭和四十年十一月八日号)
昭和五十四年没。
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