文春写真館

中野の商店街で親しまれた“二十四の瞳のおばちゃん”壺井栄

文・写真: 「文藝春秋」写真資料部

中野の商店街で親しまれた“二十四の瞳のおばちゃん”壺井栄

 瀬戸内海に浮ぶ小豆島は、「二十四の瞳」で一躍有名になった。小説に島の固有名詞は出てこないが、木下惠介監督・高峰秀子主演の映画が大ヒットしたこともあり、「小豆島ブーム」が起きたほどだった。

 故郷を全国的に有名にすることになった作者・壺井栄(旧姓・岩井)は、明治三十二年(一八九九年)、小豆島・坂手村の醤油樽職人の娘として生まれた。幼少にして家業が傾き、苦労して島の高等小学校を卒業後、郵便局や役場に勤める。同じ小豆島出身のプロレタリア作家・壺井繁治を頼って上京し、結婚したのが二十五歳のとき。戦前は思想犯として入出獄を繰り返す夫を支えながら児童文学を執筆し続けた。「二十四の瞳」は昭和二十七年(一九五二年)、五十二歳のときのもの。子供たちの成長を通して平和を願う作品である。

 写真は昭和三十四年撮影。中野区鷺宮の商店街で「二十四の瞳のおばちゃん」と親しまれていた。昭和四十二年、六十七歳で死去。最後の言葉は「みんな仲良く」だった。

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