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帝国ホテル総料理長村上信夫の料理はまごころ

帝国ホテル総料理長村上信夫の料理はまごころ

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 平成二十二年(二〇一〇年)は、帝国ホテルが創業して百二十年目にあたる。長い歴史を誇る同ホテルは数々の著名なアルチザン(職人)を生んできたが、総料理長だった村上信夫もそのひとり。

 大正十年(一九二一年)生まれ。十二歳のときに、浅草の洋食屋に住み込みで働くようになる。昭和十四年(一九三九年)帝国ホテルに入社。戦争中、中国を転戦、戦後は旧ソ連に抑留された後、復員して帝国ホテルに戻る。その後、ベルギー、フランスで修業し、東京オリンピックでは、選手村料理長も務めた。昭和四十五年には、取締役総料理長となる。

 また、NHK「きょうの料理」の講師も務め、ハンバーグなど家庭的な洋食の作り方をわかりやすく紹介した。

〈うまい料理を作るコツは、技術も大切だけど、最後はまごころです。これがなければ最善の努力ができません。私を名人なんて呼ぶ人がいますが、コックに名人なんて称号は必要ない。まだまだこれからも、生涯勉強です〉(「週刊文春」平成十一年六月三日号「家の履歴書」より)

 平成十七年没。

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