作品
2021年1月29日、北町貫多は芝公園の一隅に佇んでいた――22年2月に急逝した著者の、苛烈な“歿後弟子道”を記した三篇。
バンドが群雄割拠する1990年代の下北沢ライブシーン。若きミュージシャン「ゴータ」はプロデビューという夢に向かって邁進する。
デビュー30周年、実力派女流作家の精髄を示す短篇集。「鍋の中」「蟹女」「望潮」「白い山」など各種文学賞受賞作を中心に8作を収録
突如スナックに闖入してきた豚の厄を払うため正吉と三人の女は島に向かった。芥川賞受賞の表題作と「背中の夾竹桃」を収録する
デビュー小説『ギフテッド』で芥川賞候補に選ばれた鈴木涼美の第二作。AVの撮影現場と大邸宅での静かな暮らしを対置させた意欲作。
コロナ禍のベルリン。若き研究者のパトリックはツェランを愛読する中国系の男性に出会い、その詩の世界へ導かれる。注釈付き翻訳小説
原点回帰にして到達点。猫、犬、馬、人形など、異質な存在との交歓によって導かれるカタルシス、圧倒的な熱量をはらんだ作品集です。
主婦、家出少女、カラスに悩まされる新入社員、妻に逃げられた元警察官。平凡な日常に倦んだ人々を魅了し狂わせるコルトの魔力とは?
台北の猥雑な街、紋身街。狡猾で強欲なだらしない大人たちに囲まれて、少年は世界の広さを知る。切なく心に沁み入る傑作連作短編集。
モラハラ夫との暮らしに見切りをつけ、白石葉はレストラン「Maison de Paradise(メゾン ド パラダイス)」で住み込みシェフとして働くことに。読んで作って癒される! クッキング・レシピ付き
いにしえより行き場を失った数多の人々を迎えてきた遍路宿「さぎのや」で、家出した少女・雛歩は自らの生き方と幸せを見つけていく。
家計を支える妻、妻の幼なじみの女性との三角関係からはじまる想像を絶する事態。生きる意味を読者に投げかける長編。
診療所を一代で総合病院にした父と、落ちこぼれだったが天才的な経営手腕を発揮する次男。大病院の栄華と躓き、家族の確執を描く。
ライト兄弟が世界最初の飛行機を飛ばす何年も前に、独自の構想で航空機を考案した奇才・二宮忠八の波乱の生涯を描いた傑作長篇
押伏村には、六十歳を越えると蕨野へ棄てられる掟がある。老人たちの悲惨で滑稽な集団生活。死してなお魂は生き永らえるのか——
最後の木版浮世絵師といわれた光線画家・小林清親の波瀾に充ちた半生と江戸から明治に移りかわる風俗、庶民の生きざまをあざやかに描いた第百回直木賞受賞の長篇。(田辺聖子)
日本が戦後はじめて参加する夏季五輪を放送すべく、当代一の人気アナウンサー和田信賢は体調不良も顧みずヘルシンキに乗り込む。
アン41歳、家族で暮らすグレン・セント・メアリ村に新しい牧師一家がやってきた。第一次世界大戦が影を落とす前の平和な時を描く。
商人の家系に生まれた結子は、幼い頃からキモチワルイ状況をそのままにはできない。そんな彼女の「問題解決とその調達人生」を描く。
89歳の死の直前まで綴ったピュアな初恋の記憶、死後発見された「死への道程」など、戦後日本を体現した作家のラスト作品集。
※未刊行の書籍は、刊行予定が変更になる場合があります。