やる気なし
使命感なし
執着なし
なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?
動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。
足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて後醍醐天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。
一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。
混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか?
幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。
1966年長崎県諫早市生れ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞と、史上初の3冠受賞に輝く。翌05年、『君たちに明日はない』で山本周五郎賞を受賞。16年『室町無頼』で本屋が選ぶ時代小説大賞受賞、週刊朝日「2016年 歴史・時代小説ベスト10」第1位。著書に『ヒート アイランド』『サウダージ』『光秀の定理』『信長の原理』『涅槃』などがある。23年『極楽征夷大将軍』で、第169回直木賞受賞。
やる気なし、使命感なし、執着なし――三拍子揃った「究極の意思欠如者」足利尊氏が、なぜ天下を獲れてしまったのか? 垣根涼介さんの新著『極楽征夷大将軍』は、〝決して負けなかった〟尊氏の人生に迫ります。足利直義、高師直との複雑怪奇なトライアングル構造、難解きわまる「観応の擾乱」の背景までもわかりやすく描き出す本書からは、現代を生きる私たちの〝サバイバル戦略〟が見えてきます。
◇ 🎙 ◇
みなさん、直木賞受賞後、作家の環境がどう変わるのか、興味ありませんか?
第169回直木賞を受賞した垣根涼介さんに、受賞後半年の生活をうかがいつつ、受賞作『極楽征夷大将軍』の魅力を「経済」や「投資」の観点からあらためて語っていただきました。投資がどう歴史小説に関わってくるのか? とてもユニークなインタビューになりました。
◇ 🎙 ◇
第169回直木三十五賞! 「やる気なし、使命感なし、執着なし」の足利尊氏を中心に据えた歴史群像劇『極楽征夷大将軍』がオーディオブックとなりました。
Audibleのお求めはこちら
ご希望のデータがダウンロードできない場合や、著者インタビューのご依頼、その他の本の紹介に関するお問合せは、直接プロモーション部へご連絡ください。
雑誌・書籍の内容に関するご意見、書籍・記事・写真等の転載、朗読、二次利用などに関するお問合せ、その他については「文藝春秋へのお問合せ」をご覧ください。
感想を送る
本書をお読みになったご意見・ご感想をお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社ウェブサイト、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただく場合がございます。
※いただいた内容へのご返信は致しかねますのでご了承ください。
※ご意見・ご感想以外は、こちらから各部門にお送りください。