- 2023.08.22
- 特集
9・10月合併号の特集は〈第169回直木賞決定&発表〉。祝・垣根涼介さん『極楽征夷大将軍』、永井紗耶子さん『木挽町のあだ討ち』!
文:「オール讀物」編集部
ジャンル :
#小説
,#エンタメ・ミステリ
,#歴史・時代小説
大好評発売中の「オール讀物」9・10月合併号は、〈第169回直木賞決定&発表〉と〈直木賞作家豪華読切!〉。読切短編から新連載まで充実の1冊です。
第169回直木賞は、1次投票も決選投票も同点! 白熱の議論の結果、垣根涼介さんの『極楽征夷大将軍』と永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』のダブル受賞となりました。浅田次郎選考委員が「好対照の二作」と評するように、両作とも歴史・時代を主題に据えつつ、読み心地がまったく異なるのが興味深いところ。受賞作はともに長編のため、冒頭のみ(『木挽町のあだ討ち』は第一幕)の掲載としましたが、実際に読んでいただくと肌触りの違いに驚かれるのではないでしょうか。今回、新たに加わった京極夏彦委員はじめ、全9人の選考委員の〈選評〉からは、受賞2作はもちろんほかの候補作に対しても、熱のこもった真摯な議論が交わされたことが伝わってきます。
グラビア、自伝エッセイ、末國善己さんと細谷正充さんによるブックガイドに加え、垣根さんは親交の深い池井戸潤さんとずばり「お金(経済)の話」を、永井さんは同世代、女子校出身、古典芸能好きと共通点の多い三浦しをんさんと「フィクションが人を救うこと」について、濃密な記念対談をしていただきました。いずれの特集も必読の面白さです。
先月、「男の分別学」をお休みした東海林さだおさん。じつは2週間の入院をなさっていました。「脳梗塞腹ペコ入院記」は、いつ、誰の身にも起こりうる悲喜劇を語りつくして余すところがありません。無事に回復されて、次号から「男の分別学」を再開予定です。
今号から、注目の小説新連載が2作スタートしました。村山由佳さん「PRIZE―プライズ―」は、文学賞の栄誉が欲しくてたまらない人気女性作家の“飢え”を赤裸々に描いていきます。「売れるだけでは満足できない」「直木賞が欲しい。他のどの賞でもなく、直木が」と吐露する主人公を待ち受ける運命とは――。読み始めたら、途中でやめることはできません。真山仁さん「オペラティオ」が描くのは、続発する政治家暗殺事件。国民の政治不信、“上級国民”への怒りが充満するなか、衆人環視のもと現職大臣が刺殺されます。現場には「ざまあみろ」と記された紙片が――。公安調査官の新ヒロインにも注目です!
読切小説も充実です。島本理生さん渾身の110枚、辻村深月さん三越350周年記念短編ほか、窪美澄さん、中島京子さん、大島真寿美さん、荻原浩さん、朝井まかてさん、西條奈加さん、山本一力さん、北村薫さん、桜木紫乃さん、小説初登場のミステリー新鋭・荒木あかねさんまで、力作がずらりと並びました。
ついに舞台化が決まった「最高のオバハン 中島ハルコ」。主演の大地真央さんが見どころを語るインタビュー「中島ハルコに会いに来て!」には原作者の林真理子さんからコメントも! コラム&エッセイでは、伊藤理佐さん、中野京子さん、安部龍太郎さん、紀行ものでは川越宗一さんの「『灯台』を読む」など超強力ラインナップ。天童荒太さんの警察小説連載「ジェンダー・クライム」は驚愕の最終回を迎えました。
「オール讀物」9・10月合併号には、日本のエンタメ小説界の最前線と面白さがぎっしり詰まっています。お手元で長く楽しんでいただければ嬉しいです!
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