日本海 みたきねがひや 冬ごもり 久保田万太郎
〈冬の日本海、雪の秋田・象潟海岸にて。取材でこの地を訪れた久保田は「暗い、険しい、しかも哀しい日本海を、私はみたかったのだ」と洩らす〉(「諸君!」平成十四年=二〇〇二年三月号)。昭和二十九年(一九五四年)十二月撮影。
「湯豆腐や いのちのはての うすあかり」の句で有名な久保田万太郎は、明治二十二年(一八八九年)生まれ。浅草の商家に育ち、下町の消え行く文化を小説に残した。また、俳句、劇作でも多数の作品を残した。
〈昭和二十七年、永井荷風が文化勲章を受章したが、選考委員会で荷風を強く推したのは若き日、慶応義塾で荷風の授業に胸ときめかせていた久保田万太郎だった。(略)当時、久保田万太郎は、文化勲章の選考委員をつとめ、(略)文壇、劇壇、俳壇に強い影響力を持ったいわば“ボス”だった〉(同誌・川本三郎「蔵出し写真館」「“ボス”の住処」より)
昭和三十八年没。
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