ベーブ・ルースやルー・ゲーリックらを中心としたオール・アメリカン(大リーグ選抜)チームが鈴木惣太郎の尽力により来日したのは、昭和九年(一九三四年)秋。ベーブ・ルースは長い船旅を理由に日本遠征には二の足を踏んでいたが、交渉役の鈴木惣太郎が、アポなしでルースの似顔絵が大きく書かれた日米野球のポスターを見せたところ、ルースは日本行きを快諾したといわれている。オール・アメリカンは船旅の疲れもものともせず、一六戦して全勝した。
写真左は来日時のベーブ・ルース、右は監督のコニー・マック。
読売新聞がこのシリーズを大々的に報道、日本での野球人気の高まりに、十二月にはこのときのメンバー沢村栄治らが中心となって、大日本東京野球倶楽部が結成された。
翌年、アメリカ遠征。ニックネームを東京ジャイアンツとし、昭和十一年東京巨人軍誕生の運びとなる。現在のプロ野球が誕生する前夜の一枚である。
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