文春写真館

辰野隆はほんとうの人間の教師だった

文・写真: 「文藝春秋」写真資料部

辰野隆はほんとうの人間の教師だった

辰野隆(たつのゆたか)は明治二十一年(一八八八年)生まれ。父は日本の近代建築に多大な業績を残した建築家の辰野金吾。

 谷崎潤一郎とは、府立一中以来の親友であった。東京大学でフランス文学の主任教授として活躍。三好達治、渡辺一夫、伊吹武彦、小林秀雄、今日出海、中島健蔵、中村光夫、森有正ら多数の俊英を育てた。

 昭和二十三年(一九四八年)、東京大学での最終講義で、小林秀雄は「先生は理想的な教師であった」と感謝の辞を述べた。

「文藝春秋」昭和二十四年六月号にて、「天皇陛下大いに笑ふ」の企画で、徳川夢声、サトウハチローとともに昭和天皇と懇談したときの様子を再現。これが評判を呼んで、「文藝春秋」の部数が飛躍的に伸びるきっかけとなった。

 また随筆家としても数多くの優れた作品を残した。昭和三十九年(一九六四年)没。

〈青山斎場に於ける先生の御葬儀には、夥(おびただ)しい弔花の群に、捧(ささ)げ主の名札は悉(ことごと)く取除いてあった。真個(ほんとう)の人間の教師〉(「文藝春秋」昭和四十六年十二月号「『感心派』の総帥・辰野隆」市原豊太より)

 写真は昭和三十五年撮影。

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